みづき、ワイナリーに監禁される
「異臭がするわね」イギリス生まれの62歳・ジュリアが通りを走りながら小声で言った時、霧状になったワインの香りを嗅いだみづきが気絶して通りに倒れ込むのが見えた。「賢哉さん!霧状のワインで日本人女性が意識不明です!」
駆け寄って「みづきさん!」と呼びかけながら介抱していた時、長身の人影がみづきを抱えて連れ去ろうとするのが見えた。「待ちなさい‼」と叫んで猛追したがテムズ川付近で転倒し、階段に座り込んだ。
「亮介!奥方が築400年のワイナリーに監禁されたぞ!」マーブがワイナリーの地図を渡し「睡眠薬が入っていたらしい。30分経過すると目を覚ます」と付け加えて
パブの階段を下りていく。発酵したブドウの香りが漂う保管庫の閂をマーブが電流で外すと、目を覚ましたみづきが座り込んでいた。亮介は驚く妻に駆け寄り、抱きしめる。
「亮介、マーブさん。ありがとう」「ああ」ワイナリーの1階にあるドアから外に出て足を休めていると、直美とエンリケたちが駆け寄って笑顔を見せた。
「パブとワイナリーは、階段でつながっているんですか?」「ええ。酒豪が喜ぶ場所ね」サンドウイッチを食べるジュリアの豪快な笑い声が、通りに響いた。
「ジュリアさん。介抱してくれて、ありがとうございました」「回復してよかったわ。またマラソンで一緒に走りましょう」「はい」
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