『スポGOMIロンドン大会』、開幕
テムズ川の前にはビニール袋とトングを持った100人が集まっていた。白い羽を持つオスのセキセイインコ・マカロンが「テムズ川周辺、ロンドン警察署と校門前で1時間ゴミを拾い、ポイントの高い3人が優勝です。『スポGOMIロンドン大会』、開幕!」と言って階段の上に止まった。
「亮介さん!スニーカーです」エベレストがトングで泥のついたスニーカーを拾い、清一が「履けそうなのになあ」と言いながらビニール袋に入れる。みづきとイザベル、福のビニール袋が満杯になっているのに気づき、「空き缶やビンを探そう」と清一とエベレストに声をかけテムズ川へと向かった。
賢哉と睦月、ジェームズは校門前でチラシや肩掛けカバンを拾っていた。「ファスナーが外れちゃってる」睦月が肩掛けカバンを手に取った時、賢哉が「未使用のコートがあるやん」と言ってベージュのコートを二人に見せる。「古着店に置こう」ジェームズが言い、コートを畳んで仕舞った。
直美とマチルダ、ゴルバチョフはロンドン警察署前で水筒やノートを発見。マカロンが「『フェニックス』、100ポイント!『夜勤明け』、200ポイント!『イチゴ大福』、350ポイント!」と言う声が響き、ゴルバチョフが「絵の具を集めよう!」と二人を励ます。「『フェニックス』に勝つぞー!」直美たちは校門で絵の具や海図を集め、広場へ戻った。
「終了!ピ―――‼」マカロンの声が響き、路上に置かれた空きビンを多く集めた『フェニックス』が優勝。亮介とエベレスト、清一はダニエルから賞状を受け取った。エベレストが発見したスニーカーは泥を落として磨いた後、清一が愛用している。直美とマチルダ、ゴルバチョフは4位になり、野菜の詰め合わせをもらった。
マカロンは「タルトの実弟!」と亮介に向かって言い、種を取ったブドウを食べ終えてから亮介のダウンコートのポケットに入る。「俺のダウンコートを、ブドウの汁で汚すな!」亮介の絶叫が広場に響き、無人のおもちゃ店に入ろうとしていた強盗が慌てて逃げて行った。
「亮介。ロンドン警察音楽隊に入ってみないか?」ジェームズが楽器を持った30代から80代までの男性警察官20人に「音楽教師で、ヴォーカルでもある」と亮介を紹介する。2曲を熱唱し終えると拍手と歓声が起き、30代の警察官が感激し泣きながら「ぜひ一緒に活動しましょう!フルートのライアンです‼」と名刺を渡してきた。
「わしはルーク。ロンドン警察音楽隊は小中学生・高校生の前でも演奏するんじゃ」80代のイギリス人男性が亮介の肩に手を置き、嬉しそうな笑みを見せる。
「わしは12歳だった息子を殴打し、泣かせたことを悔やんでおる」男性は
ハンカチで涙をぬぐい、「恥ずかしい」と小声で言った。
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