真摯との再会


 「軍を壊滅させたい!」エンリケは泣きながら言い、「市民の捜索や救出もしてるんだ!」と反論するジョニーを転倒させた。「痛い!」座り込む息子の腫れ上がった足を見て、父親のジョブズが落涙する。「エンリケ!」男性刑務官に一喝され、エンリケは走り去ってしまった。

 

 気持ちを静めるために尺八を吹いていると、「真摯」と声がした。「亮介?なぜロンドンにいる!」「旅行で来たんだ」真摯はみづきと直美に会釈し、エンリケが軍を嫌う理由を話し始めた。


 「ガザへの爆撃で4歳の弟・マンボが行方不明になっているらしい」「そうか」

「亮介。お前のドラム演奏で、彼を励ましてくれ。頼む」真摯は亮介に深く頭を下げた。



 お尻にクリームの模様があるセキセイインコ・マカロンがエンリケの肩に止まり、「ジョニーとジョブズさんに謝ったほうがいいよ」と小声で言う。「ジョブズさんは他者を殺めず避難させる司令官だ。でも、軍を見ると怒りが抑えられなくなる」瞑想で気持ちを静めたエンリケに、「真摯さんにも伝えたら?」とマカロンが聞く。

 

 

 




 

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