駅での救出とマオの涙


 銭湯高校に通う18歳の熱血漢・赤坂提灯は鎌倉駅の線路内にベビーカーと「え―――ん!」と泣く1歳の女児が落ちかけているのに気づき、「非常停止ボタンを押せ!」と大声でマオに言う。電車が停止し、提灯と男性車掌が線路に入って女児を救出。呼び止められた母親はイヤホンとスマートフォンを回収用のビニール袋に入れ、

去っていった。


 「ご協力ありがとうございました」車掌が二人に一礼し、もなかを渡す。車掌室を走りながら「きゃー」と楽しそうな声をあげる女児を抱き上げ「助かってよかった」と小声で言うマオの目には、涙が浮かんでいた。

「屋台が来てるらしい。行ってみるか?」提灯に聞かれ、鼻をかみ終えてから「はい」と答えた。

 

 緑色の浴衣を着たあめ売りの男・高潮が、棒状にして氷で冷やしたあめを包丁で小さく切って「とんとこあめだよ―――‼」と呼びかける。

 3袋を買って丸椅子に座ると、足を腫れ上がらせた直美が近づいてきて「階段を下りていたら、背後からぶつかられました」と小声で言う。提灯は憤慨しながら氷で冷やしたタオルを巻いた。

 

 




 


 



 

 

 



 

 

 

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