第6話 人々の反応

2037年10月13日 07時42分頃 とあるメディアのニュースにて:


「ある政府関係者が、『国民の上に立つ我々が、国民よりも優遇されるのは至極、当然なこと』と言った問題について、政府トップは、以下のように発言しました」


「このような発言は許されるものではありません。今後は、信頼を損なう発言を慎むよう、厳重注意するとともに、国民の皆さんには、深くお詫び申し上げます。また、当該人物の処遇については、後日、改めて協議いたします」



2037年10月14日 11時18分頃 とある動画サイト上の動画にて:


「問題発言をしたとされる人物が、同じく問題発言した人物に、厳しい処分を下すでしょうか。答えは、ノーです。おそらく、当該人物の処遇結果に関する発表を、出来るだけ遅らせることで、国民の関心が、別のニュースに移ることを待つのが、政府トップの狙いでしょう」


2037年10月14日 12時26分頃 とある媒体に録音された人間同士の会話にて:


「この国には、国民を見下す政治家しかいねーのかよ」

「ホントそれ。マジで終わってるよな。去年まで政府トップだったソイルなんか、『国民から税金を取るだけの楽な仕事』だなんて言って、大炎上してたし」

「やっぱり、この国には革命が必要だな」

「仮に革命が成功したとしても、アレの前には無力だろうが」

「アレ?ゼロ・トリガーか?」

「そうだよ、ゼロ・トリガーが来たら俺らは死ぬ」

「ふっ。その時はその時さ。お前だって、ある程度の覚悟はできているんだろ?」



2037年10月18日 13時31分頃 とあるSNSの動画にて:


「ジザロ政権、今すぐ退陣!ジザロ政権、今すぐ退陣!差別発言、絶対反対!」



2037年10月18日 19時05分頃 とあるメディアのニュースにて:


「現政権を担うジザロ大統領の退陣を訴えていた、デモ隊の一部が暴徒化し、警察が出動する事態となりました。デモに参加していたのはおよそ3000人。警察はそのうち、200人余りを逮捕し、今後、彼らに対する責任を追及していく構えです」

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