第8話 二度目の告白失敗
加奈にふられてから、三カ月が経過。好きな異性に対する愛情は残り続けたままである。
光は三カ月前の言葉を、もう一度だけ伝えることにした。
「加奈さんのことが好きです。おつきあいしていただけないでしょうか?」
一度目と比べると、心拍数は落ち着いている。明らかに失敗するとわかっているからか、高揚感を失ってしまった。
加奈は愛想笑いを浮かべる。
「光君は一途な男性みたいだね。私はとってもうらやましいよ」
浮気率99パーセントの女性は、一途であるとはいいがたい。
加奈は空の方向に視線を送った。
「光君の心が変わらないように、私の心も同じままだよ。どんなに頑張っても、二番手、三番手候補からは変わらない。交際したとしても、99パーセント以上の確率で他の男性に心変わりする」
三カ月間で関係は一ミリも進展しない。卒業まで粘ったとしても、交際に発展するプランは見えなかった。
告白に失敗したばかりの男性を、さらなるダメージを襲うこととなった。
「一カ月前に好きな男性ができたの。その男性に告白して、思いっきり玉砕されてくるつもり。うまくいけば儲けものだし、失敗したときは次のことを考えればいいや」
加奈は告白をすると知って、大きなショックを受けることとなった。
「私は用事があるから、これで失礼するね」
告白に失敗した男は、その場に崩れ落ちる。
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