第512話 ゲーム時間は残り3分。観客は100人。

完全にボケとツッコミの構図が元に戻り晃太がまた1人でツッコミの宿命を背負うこととなった。

そんなことよりも、

パルクールのとこ見にいこうぜ。

何かスゴいことしてるみたいだよ?

娘さんとお母さんが何かを賭けて対決してるんだって。

何?その状態。

けどそれがめちゃくちゃスゴい戦いらしいんだよ!

ビュンッビュンッって感じで!


っと誰が広めたか、いや広まったんだろうな。パルクールの場所完全に貸し切ってるし誰かがそれを見てヤバっと思って広めそれが伝染していって気づけば………


「めちゃくちゃ人いるじゃん………」


残り時間は後5分。そんな時に周りには100を超す人の数。


「ヤバ…………何この状態。」


「地下格闘技見に来た人達みたいだね?」


「地下いらないだろ。なんでちょっとアンダーグラウンド感出すんだよ。」


「みなさーん!この戦い一緒に応援しましょ~!」


「「「「「お~!!!!!」」」」」


「おい。雫、油を注ぐ………」


「ちなみに娘の心音さんが勝てば結婚がなくなります。母親の方が勝てば結婚が確定し今日結婚します!皆さんはどちらを応援しますか?」



「「「「「むすめ~!」」」」」


「「「「「ははおや~!」」」」」


めちゃくちゃうるさいしほぼ半々で声が聞こえるし…………


「娘の顔がタイプ~!俺が結婚したーい!」

「あ、それは無理だよー!娘の方はめちゃくちゃな男嫌いだったからそれを溶かすくらいの男に出会ったから。」


その言葉を聞いた時一瞬姉の動きが緩んだ。

そこを見逃さない母親。一気に詰め寄る。


「お~!攻めてる!攻めてる!母親の方が攻めてるよ!」


「「「「「お~!」」」」」


「がんばれー!」

「勝てー!」


周りの人はどんな感情で応援やら声援やらしてるんだろ。意味不明だろ。意味わからないでしょ。このバトルとか絶対に。なのに応援してる。


「後、3分!逃げきれるか?捕まえるか?さぁ!どっちだ!」


雫の言葉で何故かよりヒートアップした群衆は


「がんばれー」

「いけー」

「結婚ー」

「俺としませんかー?」

「後3分頑張って!」


様々な言葉で声援を飛ばす。


「なぁ、香織。」


「……………」


「おい。香織。」


「……………」


「香織!」


「あ、何?」


「何?じゃないし。真剣に見すぎだろ!」


「後3分だもん。どっちが勝つか気になるじゃん?」


「そんなことより雫のせいでマジで格闘技とか観に来てる観客みたいになってるし。アイツ変な解説の才能があるみたいだし………」


「将来はアナウンサーだね!」


「うわ、一瞬想像出来た自分が嫌だわ。」

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