第505話 60分の逃走劇スタート
「ルールは簡単。私を捕まえたらそっちの勝ち。逆に60分逃げ切ったら私の勝ち。すっごく簡単でしょ?」
「鬼は?」
「全員でいいよ。アリス 愛梨 彗 雫 乃蒼 香織 こーちゃん そして母さんの合計8人の鬼。この時点で私が不利って分かるでしょ?その上で勝負するんだからフェアでしょ?」
フェアではないと思うが………まぁ、いいか…………
「この通話を切ってから60分ね?ちゃんと計ってね?」
「あ、お姉さま私準備OKです。」
「あ、OK。じゃあ60分の1本勝負泣いても笑ってもこれでラストの延長戦。よーいスタート。」
そう言って姉の電話はきれた。それと同時に60分のタイマーが動き始めた。
「何?この馬鹿馬鹿し………」
「ここ何階まである?」
「確か………6階だったはずです!」
「じゃあ分けよう。1階は愛梨。」
「りょ」
「2階は雫。」
「がってん!」
「3階は乃蒼。」
「へい…………」
「4階は私が。5階は広い上に飲食店もあるから彗、アリスの2人にお願いするわ。」
「分かりました。お母様。」
「よろしくお願いします。彗さん。」
「で、6階。ゲームセンターとか入りくんだ場所が多いから晃太、香織頼めるかな。」
「マジになりす」
「がってん!しょうちのすけでございます!」
「じゃあ何かあったら即連絡で。時間がもったいないから急ぐよ。」
「はいよ」
「は~い」
「へい………」
「分かりました!」
「頑張ります!」
「頑張ろう!皆で!えいえいおー!」
「……………」
ついていけねー。
「さぁ、6階だよ。ゲームセンター!さっきも来てたけど中々広いよね?隠れるにはいい場所だし逃げるのにも適した場所だしここにいる確率は高いよ!頑張って探そう!えいえいおー!」
「やめてくれない?そのえいえいおー。気が抜けるわ。ただでさえスイッチ入らないのに」
「何で?」
「何でってまず関係ないし。何で2人の試合に延長戦とか言ってサラッと混ぜられてんの?」
「いいじゃん?大規模鬼ごっこ。テレビとかYouTubeでしか出来ないよ?」
「まずここの許可とってない時点で無許可でダメだろ。」
「まぁまぁ、騒がなければ。」
「ぜってい騒ぐだろ。鬼のようにうるさいだろ。」
「そんな会話ばっかりしてたらほら!5分経ったよ?ほら、皆一生懸命探してるんだから。」
「ここにはいません。ここにはいません。ここにはいません。ここにはいません。ってそんな何回もライムすることかね?」
「とりあえずゲームセンターの中に入って探すよ!探さないと始まらないんだから!」
「めんどくさいなぁ………始めるのがめんどくさいな………」
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