第499話 無茶苦茶な人生に、いや無茶苦茶な高校生活に走馬灯を

「しばし………採点に入るので………お待ちを………」


知らない間に試合が終わってた。知らない間に見てた試合が喋ってる間にバッターアウトになって見過ごした感覚。まぁいいけど。


「ワクワクだね!」


「オレはどっちにしてもわぁーと喜べないし。」


「何で?」


「何でって………母さんが勝ったら結婚、即結婚だろ?色々忙しくなるしノータッチでいきたいし。姉が勝ったら姉に向いてた矛先がオレらの方にきてお前らが先に結婚しろ、とか無茶苦茶いいそうで怖いし。」


「ありえるね!ありえるから嬉しいね!」


「うん。馬鹿なお前は嬉しいだろうけどオレは嬉しくないのよ。だからどっちに転がってもこの勝負めんどくさいんだよ。」


「人の将来がかかってるんだよ?そんな言い方はダメだよ!」


「人の日常を散々破壊してきた野郎がよく言えるな?お前と付き合ってからアホみたいなことしか起きてねーぞ?」


「もう嫌だな~。付き合うじゃなくて突き合ってからでしょ?」


「猥談にするな。お前とマジでヤッて以降非日常非日常非日常非日常非日常だらけなんだよ。マジでふざけんなよ?」


「飽きない女って訳ね?」


「いいように解釈するな。マジで。」


非日常を楽しめたら良いけど生徒会長のラブコメに付き合ったり親友の恋愛事情に直面したりはたまた昔のクラスメイトが暴走して告白断ったら放送室ジャックして暴れたりして結局愛人になるとか言ったりして、それで終わらず助けた1年が好きになったって言って家に不法侵入してきたりそこにブラコン姉が遭遇してもう逃げるしかなくなったり、その1年の友達を名乗る女が急に林間学校に何の面識もなく来てプラスアルファ姉も来てその1年に脇腹何本かいかれる事件にあって殺されかけたり、姉がオレに興味をなくして元不良の男性に恋をして付き合ってで今このその男性との結婚をかけた勝負に出てると。


1文で書いたら意味が分からない。一々修正と説明が必要なことばかり………ホント……なんじゃこれ。

オレの人生普通で良かったのに。そこそこ刺激があってそこそこ楽しい人生で良かったのに、そんな無茶苦茶ヤバイことばかり起こしたくなかった、いやオレは起こしてない。周りのヤバイ女がやってんだ。何?ヤバイ女集める磁石みたいなのオレは持ってますか?


「よ~し!皆さん!聞いてください!」


何て頭で考えてる間に雫が声を出す。


「採点結果が出ました!その前に心音さん、お母様、お疲れ様です。激闘の3本勝負でした。ボウリングは1ピン差でお母様がゲームセンターは1フィギュアでお姉さまが勝ちました。どちらも超激戦でした。そして今回も超超超激戦!その差!わずか0.0001!

勝者を発表します!勝者は!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る