第497話 ここ数年認知されてきたけど昔は認知されない、そんな文化だった
「では次はお姉さま。お願いします!」
とりあえずジュースを配り終わりどっこいしょとソファーに座る晃太、そして香織。
「お姉さまは歌上手いの?」
「知らねーよ。一緒にカラオケ行ったことねーし。」
「姉弟なら1回くらいは行くと思うけどなぁ。意外。」
「うちはそんな仲良しとかではないしな。姉からの一方的な愛で構築されてるから。まぁ誘われて行こうとしたこともあったけど、運良く姉が鞄にコンドーム入れてんの見つけて問い正したら、カラオケルームで襲うつもりだったって、ヤバイ回答が返ってきてから1回も行ってないな。てか行きたくないし。」
「それはお姉さま、ミスだね!」
「ミスで済ますな。見つけてなかったらオレヤラれてたかもしれないんだぞ?」
「姉はカウントされないって。」
「カウントされない幻の1回目とか絶対嫌だから。」
そんな私をしてると姉が皆の前に立つ。そしてお辞儀をする。え、そんな神聖な場所なんですか?
「何歌うんだろ!やっぱりバラードとかかな?しっとりとした曲とか似合いそう。」
「そうか?姉のことだし何か流行りの歌でも歌うんじゃないか?」
なんて言ってたら音が流れ始めた。うん?え?これって………
「晃太くん。これは。」
「これは………ラップだな………しかも……ガチガチのラップだ………」
誰が1発目にR○定の曲歌うと思うよ?
しかもあんまり知られてないほうの歌じゃん。昔漫才の大会のPVで使われてた歌じゃん。
「これ聞いたことある!ドラマでも流れてた!」
「あ、ドラマの曲か。元は。てか」
ラップの歌詞全部覚えてんの?見ないで目をつぶって魂込めて歌ってるけど………
「歌上手いね!」
「これは歌が上手いのか?ラップが上手いのか?どっちなんだ?」
「どっちでもいいじゃん。どちらにせよ。上手いんだから。」
「うちの姉がラップをねぇ………」
「好きなのは知ってたの?」
「知らないし。歌の話題とか出さないから。出すのは大体下ネタか猥談ばっかりだったから。」
「ろくでもないね?」
「お前も言えた口じゃねーけどな?」
猥談女。
と、喋ってる間に歌が終わり採点画面へ、得点は………
「90.23!ほぼ互角!互角の勝負だよ!」
「90.23………0.02の差………スゴイ……」
「2人とも上手いね?」
「いや、上手いとかよりジャンルが気になるんだけど………まさかこのまま行かないよな?」
母親はアニソン。
姉はラップ。
カラオケなんだしフリータイムなんだから文句はいわないけどそんな尖ったとこよりバラードとか流行りの歌で点数稼げよ………
てかラップで90って地味にムズくね?
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