第492話 歌ってる最中に店の人来たらなんか歌いづらいよね。
「大体何でお前ついてきた?」
「え。いついかなる時も離れずにいよ、って言ったのは貴方じゃない、ロミオ………」
「言ってねーよ。あとロミオじゃねーし。」
何だ。ただの暇だったパターンね。
「とか言っといて実は言いたいことがあったから2人きりになりたかったんだよね!」
「言いたいこと?」
「そう。まぁ、ざっくりよりハッキリ言うね?晃太くんテレビ出よう!」
「は?だから出ないって言ってるじゃん。」
「まぁ、全校放送での歌唱は事前練習みたいな感じで。」
「だから、勝手に決めても無理だから。出れないから………」
「これ見て?」
スマホを見せる香織、そこには
「U22カラオケ王者決定戦?」
「そう。しかも場所は東京!つまりここから近い!」
「近いとかよりも参加条件………
22歳以下の男女であること 90点以上のカラオケ採点の写真かデータを添付すること 歌に自信がある人………って、優勝賞金100万円??」
「いいでしょ。めちゃくちゃいいでしょ。」
「良くねーよ。その番組チラッと見たことあるわ。俺なんかのレベルが手を出したらいけないレベルのやつだから。もっと歌に情熱と魂込めた人がやるべきところだから。」
「あ、心配しないで採点の写真も1番初めの98点のやつ撮ったから!あと歌もしっかり録音してるから!」
「待てよ。盗撮、盗音………盗音?ってなんだ?」
「晃太くんが言ったんじゃん。」
「ともかくこれで私がおくるから。」
「送るな。」
「何かジャニー」
「もうその名前使えないんだよ。悲しいけど。」
昔はよく使ったよね。そうゆうくだりで
「何がダメなの?体調?コンディション?大丈夫だよ。いつも通り世界一イケメンだよ。」
「全て肯定するヤツの前で言われてもあっそうですか、としか言えねーよ。」
香織の意見は全肯定だろうが。意味がないわ。
「とりあえず出る気はないから。」
「皆に褒められたじゃん。めちゃくちゃ。」
「だから何だよ。褒められたから出るのか?煽てても出ないからな。」
「もう、意地っ張りだなぁ。じゃあもっと褒められたらいいんだね?」
「は?」
「それも晃太くんを知らない赤の他人に判断してもらえばいいんだね?」
「お前何言って………ちょ………お前」
晃太の手をひき走り出す香織。
「今日のラッキーナンバーは7!」
「なのか?」
「知らない!勝手に決めた!」
「じゃあラッキーナンバーじゃな…おい!」
「見つけた!」
そう言って向かう先には………
「たのもー!」
赤の他人のカラオケボックスがあった。
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