第489話 認めなくても周りが認めるその実力
こんな人数の中で歌うのは初めてだ。
いつも2人きりだったし。もっとラフに歌ってるつもりだった。けど、まぁもうやれ。と言われたからにはやるしか道はない訳で……
「1番社 晃太いきます。」
やりきればそれで終わりだ。いつもみたいに楽しく歌えればそれでオッケーだ。それがどんな効果をもたらすかなんて知りやしないし。歌いきれば役目は終わりだ。歌おう。楽しく。
そう思い約4分の歌が………
「っあ!………………はい。終わり終わり次いっ…………」
パチパチ。
うん?パチパチ?
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ………
何何?一体何?と思った瞬間………全員がまぁ2人を除く全員が立って拍手。スタンディングオベーションをしていた。
「何?何?お前ら一体………」
「え、めちゃうま」
「晃太くん!凄いです!」
「ちょっと感動したわ。」
「愛人様!惚れました!いや、惚れなおしました!」
「その………声帯だけなら………愛せる……」
全員絶賛してくれるのはいいが、1人声帯の話をするヤツは無視しよう。
「あ、皆点数出るよ!」
カラオケ採点の点数が出る。
点数は
「98.52………」
「初めて見た……こんな数字……」
「凄いんですか?凄いんですよね?」
「めちゃくちゃ凄いよ。100点満点でほぼ満点だもん。」
「愛人様!テレビ!テレビに応募しましょ!」
「しないし。大体普通だ」
「普通じゃないよ」
「普通ではないよ。」
「普通………違う………」
「普通な訳ないですよ!」
「凄いことだよ!」
「ふふん!どう。私の彼氏夫の歌は!ヤバいでしょ?そしてそれを特等席で聞いてた私羨ましいでしょ?」
「囃し立てんな?俺はとりあえず歌ったから後は好きに………」
「晃太センパイ。これ歌って?」
「は?」
「あ、これも。」
「あ、私これ知ってるのでこれも聞きたいです!」
「愛人様!バラード!いきましょ!」
「ラップ………とか………聞きたい………」
「ちょっと待て。話が違うだろ?皆1曲ずつだろ?何で俺が歌いまくることに………」
「え、じゃないとまた好きになりそうだけどいい?」
「雫、お前は何を言ってる?」
「好きになりそうだけど大丈夫そ?」
「大丈夫な訳あるか!」
「あ、雫………とったら………殺すけど…大丈夫そ………?」
「また罪重ねるのか!犯罪者!」
「だから歌ってくれたら何にも起きないから。」
「歌って………」
「俺なんかが歌っても楽しくない………」
「卑下ばっかりで鬱陶しいですね!ちゃんと言いますからね!センパイの歌はめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ上手いっす!上手すぎです!だからリクエスト聞いてください!」
「……………」
俺が歌が上手い?バカ言えよ。
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