第488話 人間皆1つ誇れるモノがある。それが人間。
人にはどんな小さなことでも誇りに、自慢に出来ることがある、とよく言われる。
香織は行動はイカれてるが頭はいいし顔もスタイルも良い。
彗も行動はイカれてるし言動もイカれているが顔もスタイルもいい。
百舌鳥先輩はイカれてる………のかは分からないが段々と香織側に寄って来てるのは分かる。百舌鳥先輩も美人だしそして一途だ。
アリス先輩はいわば人間の良いところを集めたみたいな人で前世で相当いいことをしたのだろう。
雫はイカれてる。イカれてるがミニサイズで顔が可愛い。
乃蒼もイカれてる。イカれてるが長身でスタイル抜群顔も良し。
晃太の周りにいる女子は大抵がイカれてるがそれをカバー出来る顔とスタイルがある。それで全部ナシにされたら腹がたつがそれはコイツらの自慢できるポイントなんだろう。
その点晃太は、別に顔が凄い良いわけじゃない、甘く見て中の上だ。勉強も出来ない。いつも赤点ギリギリ。運動も嫌いだ。だから特に誇れるモノなんてなかったはずだった。はずだったんだ。
「晃太くん何歌う?バラード?ポップス?それとも………」
「歌う気がないけど。」
「皆待ってるよ!皆アイドルの登場を待ってるよ?」
「誰がアイドルだ!俺は別に歌は上手く」
「あ、アイドル!アイドルなら………」
「おい。聞け。」
「アイドルなら……これ!これいいんじゃない?」
「これ?」
それは大人気推しの何とかのアニメ第2期のオープニングソング。
「1人で歌えんの?それ?」
「知らない!」
「知らない、じゃねーよ。てかまず歌ったことねーヤツ歌えねーよ!」
「え~、じゃあいつものでいいよ?」
「いつもの?」
「いつものアレ。」
「アレって…………」
「そう!ハッピーで埋め浮くして~!努力未来努力未来!」
「歌詞無茶苦茶じゃねーかよ。」
「十八番じゃん。いつもそれとうっせぇ!って歌ってるじゃん。」
「ストレス溜まってる時だろ?」
「じゃあストレス溜めて?」
「別に溜めなくても歌えるから。1個目は。」
「じゃあ歌ってもらおう!よし!検索検索……」
「ちょっとマジで歌うの?」
「いい加減覚悟決めて。」
香織がピッと押すと1曲目にその歌が流れてくる。イントロが聞こえてくる。
「お前なぁ………」
「晃太くんは普通の人間だと思ってるみたいだけど違うから。もちろんそれは私の彼氏であり夫であるから色眼鏡がついてるのも分かってるけど…………
それでも晃太くんは才能がある。
歌の歌うことの才能がある。」
はぁ…………
「どうにでもなれ。」
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