第486話 カラオケといったらアイスでしょ!………え?アイスなの?

晃太の人生の中で歌を歌う、という行為を易々と見せていたのは香織だけだったかもしれない。もともと歌は好きだ。歌うのも下手と自分では言っているが香織曰くめちゃくちゃ上手い世界一上手いと崇めている。うんな訳あるかい。香織とまだ親友だった時代よく2人きりでカラオケに来ていたことはあった。個室の小さな場所だった。

が、今晃太がいるのは…………


「激広だな…………」


「一番デカイところにしてみた!」


「してみた!じゃねーよ。歌のスクリーンもバカデカイし………」


「見やすいじゃん?」


「普通サイズでいいんだよ。」


「まぁまぁ、そんな言わないで?晃太くん。」


「香織も言えよ。雫の口車にずっと乗ってるぞ?てか全員が?」


「別に口車に乗っててもいいよ。」


「何を?」


「だって良い場所セッティングしてくれてるのは雫と乃蒼だし。私たちも楽しめるからね!」

「愛人様も楽しみましょ!」

「カラオケ来たからには歌はにゃ損だし」

「カラオケ………初めてです!」


ダメだ。全員楽しさが勝ってる。一応これ3本勝負ラストでいいんだよな?


ガチャ。


「あれ?乃蒼何処行ってたの?」


「アイス………見てきた………何か………自分で………ソフトクリーム……作れるみたい…………」


「え?マジで?え?皆さん行きましょ!行きましょ!」


「晃太くん!行くよ!」


「お前ら、ちょっと待」





「うわぁ、あれみたい!このアイスの種類31日みたい!」


「当たってんの?その隠語?」


隠れてる?


「カラオケにしては種類が豊富だ。流石遠いところは違うね。田舎とは一線違うよ。」


「俺らの住むところも田舎ではないがな?てか………」


人数を数える。数えると………


「7人。7人しかいないじゃねーかよ!2人いないし!うちの姉と母いないし!」


「ありゃ。ホントだ。」


「ホントだ。じゃねーよ。あの空間で2人きりさせるなよ!」


「まぁまぁアイス持っていって冷ましましょ?」


「アイスにそんな魔法の効果はねーよ!」


「ちなみに………2人の………好きな……味は…………?」


「味?姉さんはチョコで………母さんは抹茶とかだった気が………」


「よしっ!2人にはチョコと抹茶を大量に持っていこう!」


「献上…………」


「変なボタン触るなよ?」


「他の皆さんはソフトクリームでいいっすか?」


「うん」

「はーい!」

「あー………」

「うん」

「はい」

「…………」


「晃太センパイは?どうしま」


「食うよ!ソフトクリーム食います!」


暑いわ!マジで!


「あ、後皆ジュースも人数分持っていこうね!」


「大荷物…………」


「もう好きにしろ………」

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