第475話 確率機は何回で取れるか分からない。それが楽しい人もいるしウザい人もいる。
「アリス~って言わなくてもいた。いるじゃん。晃太くん。」
「早く発見出来て良かっただろうが。アリス先輩。」
「あ、晃太くん、香織!見てみてこれ!スゴくない?」
「何?」
「何がっすか?」
「こんなに大きなポテトチップス見たことないよ!忍のところで食べたのは確か……60gとかだったかな?見てみてこれ!何と1キロだって!スゴくない?」
「スゴいね!スゴい太りそう!」
「そこじゃねー。」
「これ落ちるかな?私やってみたいけどやり方分からなくて………」
「あ、ボタンから分からないんすね?」
後ろとか横とかのボタンから分からないんだ。そりゃ、筐体の前でウロウロしてるしかないよな。
「私がやろうか?」
「いや、一回私がやりたいからやり方教えて!」
アリス先輩やる気だな…………そんな欲しい?相当忍先輩と食べたポテトチップスの味が忘れられないんだろうな………高級なモノよりポテチか………悟りを開くと人はその境地までいくのか。
「よし!やるぞ!やり方は大体分かった。こー動かしてこーやればいいんでしょ?大丈夫!」
こーが多かったけど大丈夫か?てか1発で落ちるヤツでもないしスカッとして終わり……
ガタン!ガタン!
「やったー!取れた!これで忍の家でパーティー出来る!」
「やったね!アリス!」
「うん!イェーイ!」
「イェーイ!」
ハイタッチの2人。何?ここのクレーンゲームアーム設定バグってる?
1発で取れるとかおかし
「全然取れない!」
何処からか聞き馴染みのある声。
その声に近づくと………
「あ、あ~!また落ちた!何で?しっかり掴んでるのに!すぐ緩くなる!」
怒りというより泣きそうな彗の声。
「何で落ちな」
「これは確率機だから。何回かしないと無理だぞ?」
「あ、愛人様?」
「何か安心したわ。取れねーヤツもいるんだって。」
「ば、バカにしないでください!」
「バカにじゃなくて、安心してんの。だから大丈夫。ちょい貸してみ?」
「え、あ、は、はい。」
「何?このパンダ?だれてるパンダが欲しいの?」
「は、はい。何処と無く愛人様に似てるかな?と。」
「その理由だと取りたくねーな。」
だがまぁ500円投入。
1回目。
掴むがすぐ落ちる。弱いな。
2回目。
掴みだいぶ進んだが落ちる。跳ねた。
3回目。
タグにかけてみるか。お、上手いこと入って………あ、取り出し口に半分落ちかけてる。
なら
4回目。押せば………
完璧。
「ほい。落ちた。」
「あ、ありがとうございます!愛人様!」
「お前貧乏なんだろ?変に金使うな?」
「そこまで考えて………私この取っていただいたぬいぐるみで毎晩愛人様を思いながら……」
「そーゆこと言われるから取りたくねーんだわ。」
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