第467話 最終的に決めるのは3本勝負ってテレビから決まってる。
「母さん…………ここ何処?」
「知らないの?来たことないの?」
「来たことあるけど一応言って?」
「スポ○チャ」
「だよね。」
母さんがいきなりカーナビナシで何処かへ黙々と車を走らせた先がここだった。
「ここは何するところです?」
「あ、アリス知らないか!」
「お嬢様は来ないから…………」
「ここはね、色んなスポーツやカラオケ、ゲームセンターなどがあるアミューズメントセンターだよ。」
「愛人様!プリクラ撮りましょ!」
「ダメ!私と撮るの!」
「てか皆で撮りません?記念になるし。」
「ナイスアイデア!雫!じゃあゲームセンターに。」
「ちょっと待て!」
「何?晃太くん?」
「愛人様?」
「流れを止めるのはちょっとさ~」
「KY……………」
「うるせぇよ!てか何状況飲み込んでるんだよ!いきなりここに来てよく状況飲み込めるな?てか何で?何でここに来たわけ?さっきの流れでなんでここに来たわけ?」
「勝負するのよ。心音と。」
「え?」
「対戦相手が困惑してますけども?」
「3本勝負。」
「私聞いてないな。」
聞けや。話。
「ここには色んなスポーツがある。その色んなスポーツの中で3つ選んで勝負するの。」
「で?」
「心音が勝ったら結婚はまだ先でいい。けど私が勝ったら………今日結婚届を書いて出してもらう。」
「ちょっと待って!」
「待たない。」
「何で…………」
「さっきも言ったでしょ?話し合いでは解決しない。多数決でも解決しない。というか解決させたくない。ならこれしかないでしょ?」
「引き出しそんだけしかないの?」
多数決か話し合いか3本勝負かの3択しかなかった訳?
「とりあえずこれで私が勝てば文句を言っても今日結婚してもらう。で私が負ければアンタの好きにしなさい。今日結婚とかそんなことは言わない。」
「……………マジで?」
「マジだし。というかこの3本勝負に逃げ道はないよ?逃げたら私の勝ちで結婚届とりにいくから。」
「……………」
横暴にも聞こえるが…………晃太は正直、この方法が一番いいと思った。
うちの姉は運動がめちゃくちゃ出来る訳じゃない。元吹奏楽だし。対する母さんも歳もあるしそんなめちゃくちゃな動きが出来る訳じゃない。つまりどっこいどっこい。
いい勝負になるんじゃないか。そして決める方法の中ではまだ一番正当だと感じた。
それは姉も同じだったらしく。
「勝てばいいんでしょ?2回?」
乗り気である。
「じゃあ勝負。3本勝負は決定ね。」
「じゃあ何から始め………」
「待って待って待ってその前に!皆でプリクラ撮りましょ!険悪なムードになる前に撮りましょ!撮りましょ!」
もう充分険悪では?と思うが口は出さないでいた。
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