第465話 不思議とバツが増えていたらそれはもう怪奇現象

「結婚のこと、って晃太アンタもうそれは解決してる話でしょ?」


「オレじゃなくて本人に聞いて?」


グチャグチャの中からパス渡したから姉さん後は自分で頼む。


「結婚だけど私はオッケーしてないから。」


「アンタ以外皆オッケーしてるんだけど?」


「当事者自体がオッケーじゃないならダメじゃん!」


「黒井さんも当事者だけど?」


「数虎は今はいいの!今は私の話!」


「で?アンタはどうしたい訳?」


「どうしたいって………まず結婚したくない………」


「は?あんだけ肉とか買ったのに?大見得きって焼き肉だって出掛けたのに?」


「そ、それは知らないよ………」


「そういうの何て言うか分かる?KYだから。」


「古いよ。母さん。」


何年前だよ。平成初期くらいに置き去りにされてきたモノでしょ?


「どんなこと言われても私その話に参加してないし。」


「参加しなかったアンタが悪いでしょ?」


「参加する隙もなくただただすぐさま決まったのはどうしてかな?」


「皆答えと気持ちが一緒だったからだよ。」


「1人私だけハブられてるから!」


「多数決の時代だから。」


「少数派の方にも耳を傾けて?てか何回も言うけど私当事者なんだけど。一番近い立ち位置にいるんだけど?そこは分かる?」


「分かるよ。分かるよ。分かったうえで何で結婚しないの?」


「え?」


「いつかは結婚するんでしょ?家庭を持つんでしょ?てか結婚する気はない訳?」


「いや………結婚………しないとは言ってない………けどぉ………」


その言葉に母さんの何かが爆発した。


「はぁ?結婚する気はあるのに結婚したくない?はぁ?はぁ?はぁ?はぁ?はぁ?はぁ~?」


「いや、ちょ………」


「いづれっていつよ?1週間?1ヶ月?1年?何処にしたって何処にズレたって結局は辿る道は同じでしょ?アンタ目の前にゴールがあるのに逆走するの?すごろくのルールも知らないの?」


「いや、すごろくは分かるけど………」


「じゃあ何で?何で?何で?何で?何で?今は結婚出来なくて後では結婚できるんですか?15文字でどうぞ。」


「え………え~と、まだまだしらないことあるから。」


「マルも入れて15文字ね。中々やるわね。」


何に対しての何に関してのやるわね、なんだろう。


「まだまだ知らないことある?当たり前でしょ?知り合ったばっかりなんだから!」


「だからそれを知る時間を………」


「そんなの結婚してからでも出来る!私もお父さんがバツイチなの結婚してから聞いたし。」


「え。」

「え。」


「何?」


「え、父さんバツイチなの?」

「知らないんですけど。」


「そうよ。あ、ちなみに私はバツヨンね?」


「……………」

「……………」


いつ何処で結婚していつ何処でバツつけたのか理解し難いのだが。


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