第461話 たま~に見たくなるドラマってあるよね?で最終話で泣くんだよね。

「何?心音?何か言いたいことあるの?」


「あ、ある!だから聞いて!」


姉さん頑張れ。


「わ、私は黒井 数虎と付き合ったよ?」


「知ってるよ。今更何言ってるの?」


「コテージの中で私が、こ、告白と、いうかバレて付き合ったんだよ。」


「うん。で?」


「わ、私は数虎好きだよ?」


「何?惚気?惚気なら後で車の中でたっぷり聞くけど?」


「ち、違う!違うくて………私は数虎好きだけどその好きは恋人としての好きで………」


「何?ハッキリしないわね?何?一体何が言いたい訳?」


追い込まれた心音。

場所とか関係なく声量無視で叫んだ。


「私はまだ結婚しないから!!」


通り過ぎる人が何事かと見てくる。

修羅場?いや、でも男いないし。あ、いるわ。けど関係なさそうだし。何?どういうシチュエーション?どういう組み合わせ?どういう集団?

って目で見てくるのも関係なし。

母は。


「は?」


と顔を歪めた。


「結婚しない?何?黒井さんは結婚するって言ってたじゃんか。」


「それは数虎が勝手に言ったことで………私はオッケーしてない!てか付き合った瞬間に結婚って意味分からないでしょ?」


「いや、交際0日婚てのも昔あったし。」


「あれは芸能界だからでしょ!場所が違いすぎる!」


あ~、イケメンパラダイスね。見てたな~。好きだったな。第2寮の寮長。カッコ良かったな~。マジで。


「私達は一般人!一般人だから!」


「黒井さんは一般人の枠とかちょっと違う気がするけども?」


「え?」


「だってあの百合愛グループのお嬢様の執事だよ?芸能界とは違っても一般人の枠からはかなり離れてる存在じゃない?」


「そ、それは…………」


「それにその黒井さんから結婚の申し込みがあったんだよ?アンタじゃなくて」


「それは………」


「玉の輿だって言ったでしょ?乗らない手はないでしょ?」


「玉の輿とか関係なくて………」


「あ、そうだ!」


母から恐れていた発言が飛び出す。


「結婚届とりにいこうや。このまま皆で。」


「ダメダメ!絶対ダメ!」


「何で?」


「何でって………私はまだ結婚したくはないか」


「まだ、ってことはいずれはするんでしょ?なら早まったところで別に問題ないでしょ?」


「いや………」


「よし。じゃあ今から皆で」


「ちょっと待っ」


「結婚届をとりにレッツ」


「母さん、ちょい待ち。」


「アンタも何?晃太?」


「とりあえず車に乗ってから喋ろう。車に乗って整理して喋ろ?ここは人目が多すぎる。だから早く車に行こ?」


人目が多すぎるのは確かだし絶対にまとまらないと思ったのも確かだが、そろそろ手が限界なので早く車に乗って解放されたいのが事実、でもある。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る