第459話 ノリで入籍してみたらいいじゃん!って現実なら大惨事

晃太が思っていることを全て全て伝えた。

それは焼き肉を買いに行く、と決めた時から母の顔から父の顔から、そして黒井の顔からもヤバいと悟っていた。こいつらは本気だと。もちろん、晃太は姉、心音と黒井の結婚に反対してる訳ではない。むしろ推奨している。これでうちの姉もマトモな姉、そして人間になり大グループとの繋がりも出来て良いことだらけ、だが。だがだ。晃太はそんな急いで結婚するなんて思ってないし、そんなすぐ結婚しろ、なんて1ミリ足りとも思っていない。むしろ早くない?と思ってる。コテージ内で恋をしてコテージ内でカップルになりコテージ内でキスをしてコテージ内でセックスしてコテージ内で結婚を決意してる。

全てあの短くて濃かった林間学校内で完結してる、いや完結させられている。だから、だからこそ姉に問いたい。だから問いているのだ。


「姉さんはこのまま今日中に結婚決まってもいいの?」


と。


「え、え~っと…………それはこーちゃんの意見であって絶対にそうなるかは分からないじゃ」


「じゃあ逆に聞くけど。姉さんが、昔の姉さんが俺がもし結婚してもいいかもとか言ったらどうしてた?」


「そりゃ、録音録画をしっかりして言質としてとってすぐさまセックスして結婚するために手続きに………」


そこで姉はハッとしたようだ。

てか、まだちょっと未練残ってないよね?

言質とかそれを使うとか生々しいんだけど、大丈夫なんだよね?もう呪縛は解放されてるんだよね?

まぁ、とりあえず。


「そう。姉さんでもそうするでしょ?暴走するでしょ?頭フル回転してフル回転させてすぐさま行動に移そうとする、今の母さんたちがそうだよ。暴走モードだよ。」


「……………」


「このまま姉さんが一声、何か声をあげるか何かしないと海に流されていくようにゆらゆらと流されていくよ?そして辿り着くゴールは、結婚だよ。それでもいいの?別に今日結婚してもいいけど。そんなノリでノリみたいなテンションで結婚届って書くモノなの?」


「でもさ、歌でもあるじゃん?ノリで入籍してみたらいいじゃん!結婚してみたらいいじゃん!って。」


「現実にそれが起きたら大事件なんだよ。そして大惨事なんだよ。」


ノリ。ノリって怖いよ。一生を無駄にするからね。


「姉さんはどうした」


「私は………まだ結婚したくはない……しかも今日は………早すぎる………だから……だから………言わなきゃ、言わなきゃ、まずお母さんに………言わなきゃ、言わなきゃ。結婚はまだだよって。」


「そのいきだよ。姉さん。」


まぁ、母さんがどう動くかは未知数だが。

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