第453話 夢か現実か時々分からなくなる時ってたまにある
「賑やかだね?晃太くん。」
「うるさいと言うべきでは?この場合。何か動物園に来てる気分だわ。」
「まぁまぁ、人間も動物だから。」
「その観点がコエーよ。」
「まぁ、席に助けられたかな。」
運転席に母。
助手席にアリス先輩。
2列目に雫、乃愛、百舌鳥先輩、彗。
そして3列目に晃太、香織、そして………
「それにしてもピクリとも動かないけど。大丈夫かな?お姉さん?」
ずっと無言で動かない心音がそこにはいた。
「ほっとこう。今何かやれば逆に逆効果になるって。ほっといたほうが」
「こーちゃん。」
「うぉい。ビックリするなぁ。」
急に動いたり喋ったりするの、ビビるやん?
「何?姉さん?」
「一発殴ってみて。」
「は?」
「思いっきり力強く。」
「何で?」
「まるで亀○兄妹みたいに。」
「何か不祥事起こしそうで嫌なんですけど。」
「TKOしてくれていいから。」
「それも不祥事起こしそうで嫌なんですけど。てか何で姉の顔面殴らないといけないの?」
「顔面じゃなくても腹でもいいよ?」
「よりヤダよ。」
何でボディーブロー入れなきゃいけないんだよ。
「明確な理由があるなら殴るけど………殴ることに明確な理由とかないでしょ?」
「今ここが現実か確かめるために。」
「はぁ?」
「もしかしたら夢の中に私いるのかもしれないじゃん?」
「……………」
ヤバい。元々ヤバかった姉がヤバくなって壊れた。
「私は今現実じゃなくて夢を見てるのかもしれないじゃん?だから」
「心音。」
「え?」
「あ、コレ渡して。」
「なにこれ?」
「とりあえず食べてみ?」
「……………………スッパ!スッパ!スッパ!酸っぱい!なにこれ?」
「眠気覚ましにピッタリ チョーレモングミだってさ。」
「………食べたから何?」
「聞いてた?眠気覚ましにピッタリって私言ったんよ?つまり眠気覚まし。アンタは目が覚めた、いやもうハナから目が覚めてるってことなんだよ。」
「……………」
残酷な現実とはこのこと。
同情するわ。姉に。初めて。本気で。同情するなら金をくれかもしれないけどさ。
「いや、今目が覚めたんだよ!つまり皆おはよう!いや昼だからおはよう、あ、同じか!アハハ…………」
「あ、コレあんたの結婚祝いの焼き肉買いに行くために車出してるからね?」
「あ~いいお天気。」
「どう足掻いても無駄よ。アンタは結婚するの。あのイケメンの黒井 数虎さんという高スペックな人間と。結婚するの。あ、この出たついでに結婚届も貰いに行こうか?」
「行かない!行かない!行かないから!」
「姉さん。そこは無視を突き通したほうが良かったんじゃない?」
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