第449話 幸せになるには嘘偽りはナシ
「理解していただくことは出来ましたか?」
「あ、はい。うちの娘がチョロインだと知りました。」
「うちの娘をよろしく………」
「ちょっと!チョロインってだから何?後もう認める段階なのおかしくない?」
「「当たり前でしょ!」」
「うわっ。ビックリした………」
「極度のブラコンでうちの晃太までも子孫繁栄出来ないかも知れなかったのに晃太からも切り離せてそして立派な立派な男の人と付き合えたんだよ?」
「前のお前からみたら奇跡だよ。このチャンス逃したらお前はまたブラコン狂いのヤバいヤツに戻るんだよ。」
「そんなに言わなくてよくない?」
流石の姉貴も少しショックだった様子。
「しかも相手はあの百合愛グループのお嬢様の執事ときた、こんな奇跡みたいな話があるか?玉の輿にも乗れたんだぞ?お前が。あの、お前が。」
「あの………その百合愛グループに関してというかまだお伝えしてないことがありまして。」
「はい。」
「何でしょう?」
「あの、心音さん、うちの百合愛グループの執事として働きたいそ」
「あ、どうぞ。どうぞ。」
「お好きにどうぞ。」
「ちょっと!2人とも?」
「看護師になってもらったのも手に職つけてもらいたかっただけですので。」
「百合愛グループの中に入れるなら大歓迎ですよ。」
母も父もめっちゃ肩の荷がおりた、みたいな顔してるけど…………まだ爆弾はある、よな。
「それとこれが一番大事というか。お二人がこの結婚を認めないかもしれない原因になるかもしれないのですが………」
上のスーツを脱ぎつつそう話す黒井。
「え?断るなんてこと」
「絶対にありえ」
父 母の前に上半身に大量の鎖のタトゥーを入れた黒井の姿が。やっぱりもう一回見ても凄いな。
黒井は頭をゴンっと床にぶつけ手をついて土下座の体勢。
「私、黒井 数虎。昔いじめにあっておりそこからそのいじめてたヤツらをボコボコにして親もボコボコにして1度少年院に入った過去があります。しかも前職はホストで女を食い物のように扱っていました。30で死ぬつもりだった私を救ってくれたアリス様のおかげで今ここにいますが本当は幸せになってはいけない人間なんです。幸せになる資格のない人間なんです。私は、いや、俺は。」
土下座から頭を上げ父 母の方に目を向ける黒井。
「そんなクズでバカでみっともなくてこの心音さんの隣にたつ資格もない人間の俺でも、貴殿方の、家族として認めて………くださりますか?」
黒井のその声はいつものお茶らけた声ではなく微かに震えていた。
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