第448話 チョロインっていちいち恋に落ちるから大変、と思いがちだけどある一定の人にだけチョロかったらマジですぐ恋愛成就する
「つまり話をまとめると………無理矢理コテージに入り林間学校に無理矢理参加したうちの娘は黒井さんによって口で、制御されて黒井さんが娘を林間学校中も見ていただいてたと。そしてその林間学校の中の行事として肝試しをしてそこでうちの娘と黒井さんがペアになったと。そしてその道中、娘が嫌いな蛇等が出てきて腰が抜けた娘を黒井さんが担いでお姫様抱っこで運んでくださって、その時にうちの娘が黒井さんに好意を持ったと…」
「そうですね。それがきっかけですね。」
「…………」
「…………」
黙り込む父 母。
そして、
「「いや、チョロ過ぎない?」」
「え?チョロ?」
「アンタ昔から物心ついた時から晃太のこと好きだったじゃない。しかも一線越えて。」
「そんなお前がお姫様抱っこ一発で惚れたなんて………」
「「あり得ない。」」
「2人揃って姉貴にめちゃくちゃ言うなよ……」
「アンタもアンタよ!」
「そうだぞ!晃太!」
「え?なんだよ?」
「これが一種の作戦じゃないか、とか考えたりしないのか?」
「は?」
「身体を張って他の男を好きだと見せかけて実は狙いは晃太、お前だけかもしれないんだぞ?」
「いやいや………あり得ないって。てか俺も嘘だろ、チョロいな、とは思ったよ?」
「でしょ?」
「だろ?」
「でも身体を張って他の男を好きだと見せかけるのなら、皆に嘘発見器で好きだとバレた時に屋上から死のうとはしないし、ましてやセックス、そんな男と身体の関係持つわけねーだろ?」
「……………」
「……………」
親達の言い分もよーく分かる。今まで20何年間姉貴 社 心音 という存在を見ているからよーく分かるはずだ。だけどその20何年間のデータが役に立たないくらいのレベルの事態が、ミラクルが起きていることにいい加減気がついてほしい。
「……………じゃあ、心音。アンタに聞くけど。」
「………うん。」
「ホントに…………好きなの?黒井さんのこと?」
「……………」
「ほら、黙ってたらお母さん達心配するだろ?早く言いな?」
「ちょっと…………私にもタイミングってモノがあるんだから………」
「タイミングは今だって。」
「……………うん。好き………です。」
「……………好きなのね?」
「……………はい。」
「ホントにね?」
「はい…………」
念には念を入れる母。
「じゃあもう1つ聞くね?」
「何?」
「アンタ、チョロインだったの?」
「はい?」
「だから。チョロインだったの?って。」
「何?チョロインって。」
「ほんのした事で恋に落ちるチョロい女の子のこと。ピッタリじゃん?心音に。」
「私、そんなモノになった覚えはないんだけども?」
いや、アンタは立派なチョロインですよ、と心で唱える晃太。
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