第437話 明日も天気は大荒れ模様
すぅすぅ眠る姉。気持ち良さそうだけどまぁ今だけ夢見心地でいてくれ。起きて暫くしたら全てを理解して叫ぶだろうから、今は安静にしておけばいいだろう。
それよりも黒井との対話がまだだ。
「しかもだ。」
「何?まだあんの?何についてよ?」
「黒井。お前について。」
「俺について?何かあるか?」
「お前言ってたよな?30で死にたいってだからそれまでにめちゃくちゃやってきたんだろ?」
「まぁ、自由気ままにな。」
「全身鎖のタトゥーまみれで元ヤンキー、ホストで少年院にいたこともある、お前自身にも情報過多なんだよ。」
「それは分かってるで。」
「分かってるでって。」
「だからな。俺決めてん。」
「はぁ?何を?」
珈琲を飲み干した黒井はしっかりとした眼差しでこちらをむいて宣言した。
「俺は心音と結婚する。」
「おぉ………」
いや、ここまでされてしないって言われたらヤバいけどそれだけ堂々と言われると逆にちょっとビクッってなる。
「人間としては出来損ないでアリス様に救われてここまで生きてこれた俺やけど、こんなにしっかりと自分のことを見つめてくれた女はいなかった。だから俺は心音がいい。生涯をつかって心音を愛し続ける。」
「おぉ………それを弟の俺に言われても。まず姉に宣言すべきじゃねーか?」
「心音もそうだけど俺決めてん。」
「何を?」
「明日皆帰るやろ?」
「流石にもう帰るよ。」
「その時にアリス様は同伴してもらうかどうかは分からないけど社家に向かう。」
「はぁ?何のために?」
「親御さんとの顔合わせや。うちの両親は俺を捨てたようなモンやしもう縁も切ってるから心音の親御さんだけの顔合わせになるけど。」
「ちょっと待て。ちょっと待て。ちょっと待て。ちょっと待て。それってどういう挨拶?」
「どういう?どういうって?」
「いや………色々な種類があるだろ?その中で………」
「結婚の許しを貰いに行く挨拶。やな。」
「……………」
ちょっと待って。ちょっと待って。ちょっと待って。ちょっと待って。ちょっと待って。ちょっと待ってくださいよ。
え?結婚の挨拶?明日?うちで?黒井が来て?
「だから明日晃太のとこの親御さんは家にいてほしいねん。ライムとかでお願いできひんかな?」
「大丈夫。私のセックス中だしもあるから2人とも赤飯炊いて待ってる。仕事休んで待ってるって、中だしセックスしたときのライムで言ってたから大丈夫。必ずいるよ。」
「仕事休んで………赤飯…………」
仕事行っとけばいいのに。赤飯なんかいらないのに。
とりあえず明日も天気は大荒れの模様だ。
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