第436話 正月とクリスマスとゴールデンウィークと夏休みと冬休みが一気に来たら流石にイラネってなる。
「はぁ?い、意味わかんねー。」
嘘だろ。心では分かっていた。だがそれを認識、認定するのが怖かった、いや恐ろしかった。考えたくもなかった。その思いつきは晃太の頭にある中で一番最低な結果。結論だからだ。
「まぁ、簡潔にいうとだな。中だしゴムなしセックスをした訳だよ。」
「お、黒井も仲間入り?」
「お、香織!何?ハイタッチでもする?」
「しよしよ!せーの」
「「いぇ~い!」」
「いぇ~いじゃねーよ!犯罪者連中!」
くだらない同盟を組むな!
「何が犯罪者やねん?」
「酒の力で無理矢理ヤッてんのは独りよがりで犯罪チックだろうが!」
「分かってないな~。おとうとは。」
「やめろ!おとうと呼び。気持ち悪いんだよ!」
「おとうとやん。義理の弟と書いて義弟やん?」
「まだなんだよ!」
「まだ?まだってことはいずれは………」
「日本語のアラを探すな!」
腹立つコイツ。
「しょーじきに言うぞ。黒井。」
「お兄さんでいいってば。」
「黙って聞け。しょーじき、しょーじき、しょーじき。俺は姉が妊娠して赤ちゃん産んでも全然構わねーよ。ちゃんと自立してるししっかりとした大人だからそこの一存は姉にあると思ってるから全然構わないんだよ。そして黒井。お前自体を否定してる訳でもないしうちの姉を任せていけるのはこの先を見てもお前だけだと俺は思ってんだよ。しょーじき。」
「おー。めっちゃ信頼してくれてるやん。ありがた。嬉しいモンやで。」
「でもな。よく考えてくれよ。」
「うん?」
「うちの親は姉のヤバさを知ってるから家から追い出すように一人暮らしをさせたんだよ。その姉が今この林間学校に来てることも多分知らないと思うんだよ。その中で、お前考えてみろよ。親の立場で。」
「親の立場?」
「考えてみろよ。考えて出た答えがあるだろ?情報過多なんだよ。」
「情報過多?」
「俺のことを本気で性的対象で狙ってた姉が勝手に高校の行事に参加したと思ったらそこのお嬢様、コテージの持ち主のアリス先輩に仕えるお前、黒井 和虎に恋をしてその恋が林間学校中に実ってしかも更に中だしゴムなしセックスをした、しかも同時刻同じように弟もヤラれた。この情報を聞いてどう思うよ?」
「クリスマスと正月とゴールデンウィークと夏休みと冬休みと年末と新年が一気に来たような感じ?とかか?」
「一言で言えば情報過多。情報量パンク寸前なんだよ!馬鹿やろう!」
どんな家族ニュースよりも深刻でどんなラーメンよりもこってりで油まみれな食えない、飲み込めないモノばっかりだから。だから嫌なんだよ。
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