第434話 酒でヤラカシタ姉弟、両方はキツイって
「あ~、1階から4階までは流石にキツイ………歩きはしんどいて。」
「フラフラだからね。」
「寝起きですからね。無理はなさらない方がいいですよ?」
「無理はしてでも行く必要性があるだろ。」
「何で?」
「何で?は?」
「晃太くん何でそんな心配してる訳?」
「いや、姉がヤラれそうに………」
「けどそれは好きな方にですよね?」
「いや、まぁ……そうなんだけど………」
「あ、分かった。お姉さまの歪な愛を受けて育った晃太くんはまだ姉との結婚というモノを現実味に感じているんだね。つまり晃太くんは自分の姉との子供をつくりたい。前代未聞の姉弟同士での結婚、出産を考えているんだね!」
「長ったらしいことペチャクチャ言ってるけど全く違うから。俺を姉狂いのヤバイヤツ認定しないでくれるかな?俺は今でも絶賛姉からの呪縛から解き放たれて嬉しいですけど。」
人を異常者みたいに言うなよ。異常者が。
「じゃあ何で?何でそんな止めたいの?」
「うんなモン当たり前だろ。
家族の反応が怖いしウザイからだよ!」
「え?」
「へ?」
「うちの親父や母親は姉さんがここに来てることも知らないし、姉さんが俺じゃない男に好きという感情をぶつけたことも知らないし、それを実らせたことも知らないんだよ。」
「それが?」
「それが?それ言ってまだ分からん?」
「しっくりとは………」
「情報量過多なんだよ!情報量多すぎなんだよ!だから頭パンクすると思うんだよ。そしてパンクした後に喜ぶと思うんだよ。バカだから。バカだから。大バカだから。」
「バカバカ言い過ぎだよ?」
「ついで、お前もどうせ言うだろ?中だしセックスしたってこと。」
「もうライムで言ってあるよ?」
「じゃあ尚更止めないとダメじゃねーかよ。」
「何で?」
「弟が酒でやらかして姉も酒でやらかして姉弟どっちもがもし子供を成した時、もしくは両方が成した時………もう俺は恥ずかしさと情けなさでどうしようもなくなる。」
「子供産まれたらハッピーだよ!」
「酒によって出来た子供って考えたら最悪だろ!最悪最悪!しかも両方が!こんなモノ末代までの恥どころじゃ済まない恥だからな?」
「そうは思わないけどな~。」
「犯人はそう言うしかないだろ。」
「犯人って!」
「とりあえず喋ってる暇はない。一刻も早く姉さんを見つけないと。お前らはあっちを探せ。俺はあっちを探すか………ら………」
詰まった言葉の目線の先には………
「嘘だよな。嘘ですよね。嘘だと言ってくれよ。」
その場所まで走る晃太は呪いのようにそう唱えた。
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