第427話 宝くじに当たる確率と雷に当たる確率はほぼ同じらしい。なら電気タイプなら宝くじ買わなくても当たる訳?いや、違うか。
人生にも恋愛にもその他諸々にも100%あり得ないってことはないとさっきも話した。
話した、話したが………
「いくら何でも仕組まないとこうはならないだろ。」
「でも必然的にそうなった訳だし。」
「偶発ですよ。偶発。」
「じゃあ聞くぞ?60個あるチョコの中から1/3、つまり20個のチョコを3人適当に選んで食べたな?」
「食べたよ。」
「ほのかに苦さもありましたが甘いいいチョコで」
「あ、食レポ求めてないのよ。今の現状。今の、今目の前にあるモノについて会議したい訳。」
そう3人の目の前にはバラバラの場所に置かれたチョコが計20個。うん、20個。
「香織」
「うん?」
「お前ウイスキーボンボンいくつ食べた?」
「ううん。食べてない。当たらなかったよ?」
「……………。彗。」
「はい。愛人様。」
「お前はいくつアタリを引いた?」
「それが、ゼロでして。運良くないですね。」
「……………。」
「じゃあさ。晃太くん。晃太くんはいくつウイスキーボンボン食べた?」
「…………0。ゼロだよ。」
「ありゃりゃ?つまり?」
「今残っているこの20個全てがウイスキーボンボンということになりますね?」
「絶対ウソ!」
「へ?」
「え?」
「絶対ウソ!絶対あり得ない!」
「晃太くん、さっき必ずはないって」
「言ったばかりではありませんか?」
「イヤイヤイヤイヤイヤ!おかしいでしょ?おかしいじゃん。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。」
「犯してほしい?」
「それお前の願望だろ。」
「違うよ!目標だよ!」
「コエーんだよ!」
「赤ちゃんほしい?」
「絶対聞き間違わない。それもお前の願望じゃん?」
「子種。子種。子孫繁栄!」
「怖い怖い怖い」
聞き間違いもどっちもイカれた耳してやがる。
「いやー、でも凄いよね。60個のうち40個ハズレ引いたのと同じだもんね?」
「運がいいのか、悪いのか分かりませんね。」
「これ、黒ひげさんで最後の1本になるようにするより難しいよ?」
「穴の数よりチョコの方が確率高いですからね。」
「………お前らウソついてない?」
「へ?」
「え?」
「ホントはアタリを引いたけど飲み込んだとか。黙ってたとか。」
「そんなことしないよ。てか私もお酒弱いんだから。そんなことしたら目がトロントロンになるよ?」
「私は耐性については分かりませんが変な味がしたらいいますよ?そこまで舌バカではないですから。」
「じゃあ何?偶然、偶発的に残った20個全てが酒入りってこと?」
「そうだね。」
「そうなりますね。」
「絶対………仕組まないと………無理だって………」
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