第425話 初めは快感だったが今となればそれも恐怖と変わってる。

「つまりお姉さまはワンちゃん系に普通になれる訳だ。」


「うちの恥部が…………」


「恥部じゃないよ!立派だよ!」


「何が立派だよ。」


「酒の勢いであっても甘えられるんだから。アレが隠された本心って訳でしょ?」


「上手いこと言うな………お前は………」


「でもお酒は人の隠された本性を出すと言いますから。」


「そうなると俺はオラオラが本性って言いたいのか?」


「そうであってほしい!」


「もう願望じゃねーかよ!」


そうであってほしい!じゃないし。


「オラオラ系の男子に攻められるのちょっと快感なんだから。」


「お前Mだっけ?」


「違うよ!私は人のことを嘲笑いたいし人の下で抗ってたいし、つまり私はドSでドMなの!」


「つまり変態ってことな。お疲れ様でーす」


「よっしゃ!晃太くん。お姉さまのもとへ行こう!」


「絶対ヤダ。」


「何で?お姉さまが自分以外の男とイチャイチャしてるのがまだ許せないの?」


「やめてくれない?俺を狂気の姉狂いみたいにするの。別にイチャイチャしててください。イチャイチャしていて大丈夫ですから。」


「大丈夫?無理してない?」


「何の無理?」


無理とかしませんが?


「むしろ清々してるんだが。」


「なら見に行こう!」


「嫌だ。」


「やっぱり未練が………」


「あのさ俺をアブノーマルに考えないで?」


「アブノーマルじゃん。」


「ノーマルなんだよ。まっさらなノーマルなんだよ。」


ノーマルタイプでいさせてくれ。


「じゃあ何で行きたくないの?」


「………姉さん、酒癖悪いけど記憶にはしっかり残るんだよ。」


「うん。」


「そこの記憶に俺が入りたくないっていうのと」


「と?」


「単純に姉と姉の彼氏、黒井のイチャイチャを見るのがキツイ。」


姉弟の中で線引きが普通あるじゃん?

今まではうちはなかったがようやく線引きが出来たじゃん?

普通弟の彼女は気にはなるけどイチャイチャしてるとこ見るのはキツイじゃん?

それと同じ。

姉が崩れてる姿を見るのはもう嫌だ。

この林間学校で色んな姉を見た。

それが初めは快感だった。

初めて姉に対抗できる人物が現れたんだと少し感動すら覚えた。

だがそれも日を時間を進めるとともに姉が恋愛脳になって恋愛に狂って恋愛に翻弄され今じゃ黒井の手のひらで踊るマリオネットになってる。

もう快感ではなく………なんだろう。恐怖?恐怖に近い感情に変わっている。

だから。


「もう匂いの検証は今はやめよう。その代わり口での検証、ウイスキーボンボンの検証はしてやるから。仕方ないから。ヤル気ないけど。」

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