第424話 からかってほしい心音さん。
「まずどっちから行く?匂いから?口から?」
「貴方の熱は喉から?みたいに言うな。」
CMか。
「匂いのほうが分かりにくいから先にやろうか!よし!行こうか!」
「ちょっと待て。」
「何?」
「姉さん………酒だいぶ飲んだかな?」
「う~ん。よくわかんないけどさっきウォッカとかジンとか聞こえてたよ?」
「………よし。先に食べようか。」
「何?何で急に行くのやめたの?」
「いや………ジンにウォッカって」
「あとキースだっけか?」
「………。それ全部度数高い酒だろ?」
「確かね。ウォッカはヤバかったじゃん?実体験があるじゃん?」
「かけられるのと飲むのとでは意味合いが違うじゃん?」
「かけるって………エロいね。」
「無視するな。度数高い酒ばっかり飲んでる姉さんのとこに行きたくない。」
「何でさ?黒井も飲んでるよ?」
「黒井は元ホストだろ?酒には激強だろ。」
「だから大丈夫………」
「姉さんが大丈夫じゃないんだよ!」
「へ?」
「姉さんが大丈夫じゃないんだよ。姉さん、酒癖悪くて、今の職場ではお酒飲めないんです~、で回避してるけど家とか安心できる場所ではめちゃくちゃ飲むんだよ。」
「飲むんでしょ?なら大丈夫」
「聞いてたか?酒癖が悪いんだよ。だから家でしか飲まないんだよ。つまり分かるか?安心できるところでしか飲まないんだよ。」
「お~。ここが安心出来る場所だとお姉さまも理解したんだね!素晴らしい!」
「じゃなくて!」
「何でそんな怒るの?」
「怒りじゃなくてテンパりだよ!姉さんが酒癖悪いのは家族しか知らないのに今ここで大々的に披露して………」
「別にいいじゃん?隠し事はないほうがいいよ!」
「隠し事とかじゃなくて………」
「かーずとーらぁ。めっ。」
「……………」
「うん?今の声って………」
「ちゅーするの!あたちと!ちゅー!」
「……………」
「やっぱりこの声って……お姉さ」
「もう言わなくてもいいやん。もう探らなくてもいいやん。」
「えーと。じゃあつまり晃太くんがまとめて説明してくれる?」
「説明?」
「お姉さまは?」
何でまとめが必要か分からないがとりあえず真実を伝えよう。
「え~。うちの姉、社 心音は酒癖がめちゃくちゃ悪いです。そして酒には弱いです。そして……うちの姉は酒を大量に、アルコールを大量に摂取すると………すると………あのように…………犬みたいに甘えるいわばワンちゃん系女子に、からかってほしい女子に変わるんです。」
うちの姉はからかってほしい女子で毎度毎度ギリギリで止めてきたが…………今はリミッターぶっ壊れてるな。
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