第420話 男気と言うものはギア5よりも持続しない。
やり直してくれ。
進藤の魂の叫びは百舌鳥先輩に届いたのか。
「あ、愛梨………返事は?う。」
もう一度唇を重ね合わせる2人。
今度はソフトキスだ。
「これが答えじゃダメ?」
「つまり…………」
「もう一回お願いします。」
ペコリと頭を下げる百舌鳥先輩を皮切りに拍手が、拍手喝采。凄い。凄い音鳴ってるわ。
アリス先輩涙流してるし………感動する琴線ヨワヨワなんですよ………
まぁ、とにかく………
「良かった。この林間学校で1組カップル別れたとか縁起悪すぎるモンね。あと流石マイダーリン。アシストありがと。」
「マイダーリンではないけどどーいたしまして。俺もバツが悪いからな。」
「でもホントにあそこにあったとはね~。」
「スゲェ運と思うか神を信じるか。俺は運だと思うことにするけど。」
「神様はいるかもよ。いざというときに助けてくれるんだよ。」
「そうかな。俺は助けてもらった思い出ないけどな。」
「助けるシーンがなかったんじゃない?」
「バリバリありますね。バリバリ助けて時何回もあるんでたぶん俺は神に見捨てられてるよ。」
「そんな風にひねくれるからでしょ?ひねくれないで真っ直ぐしてたらいいんだよ!」
「ひねくれで結構。」
どうせ味方するのは香織の方だしな。
「で優くん。」
「うん?何?」
「もう名前も愛梨って呼んでくれることになったじゃん?」
「なった………ね。」
進藤は何か嫌な雰囲気を感じとる。
「それってつまり決心してくれた訳?」
「決心?」
「皆まで言わせる?」
恥ずかしそうな百舌鳥先輩。あ、これ絶対またややこしい
「結婚だよ!結婚!18になれば結婚できるでしょ?まだ優くんは17だけど結婚してくれる気になったんだね!」
「………………」
えーと。整理すると。
百舌鳥先輩とずっと言っていた進藤が愛梨へと言い方を変えた。つまりそれはもう上で呼ぶ必要がないから。上で呼ばないでも一緒になるから、名字が一緒になるから。つまり結婚!
そういう思考回路だと思われる。
「え、えーと。愛梨………それは………」
「え?遊びの付き合い?それであんなプロポーズみたいなことしたの?いやいや。まさかまさか。そんなことないでしょ?」
「……………」
「私のことを私の、私たちの赤ちゃんのことを認めてくれた訳だね!そうだね!」
「赤ちゃん…………まだいないし………結婚はその…………あの…………」
ビュン!と後ろをむいて向かう先には
「師匠。どう返答すれば。」
「師匠呼びやめろ。あと俺に頼んな。」
「そう言わずに助けてくれよぉ~こたえもん~」
「あ~、ベタベタすんな!さっきまでの男気どこやったんだよ!もう!」
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