第419話 漢 進藤 魂の叫び

「間に合った………ほら進藤。行けよ。」


「晃太………」


「俺はサポート、いわばサポーターだ。本番は当事者がやるべきモンだ。俺が出来るのは」


ドン!っと背中に力を入れるように叩く。


「頑張れ。本音で行けよ。やり遂げてこそお前は変われるんだよ。」



晃太に押されるように階段をおりていき、愛梨の元へ。


「進藤………くん…………」


「愛梨。まず、これ見てくれ。」


進藤の手の中には………


「紫の………宝石…………?」


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!進藤さん少し良いですか?」


興奮した様子のアリス先輩がその宝石を観察する。


「こ、こ、これ……………言っていた……これだけで京の価値がある………紫の宝石です………」


「え?」

「うへぇ?」

「ヤバ!」

「スゴ………」

「ホンマに見つけられるんや………」

「何処にあったんです?」


「愛梨が言ってたあの引戸中にはちょっとした空間があってその中には虫やら色んなモノがいる中に………これがあった。」


「だから………蜘蛛の巣や土やゴミまみれなんだ…………」


「黒井さん。このゲーム俺の勝ちですよね?」


「あ、あ~。確かにそうですね。京の宝石見つけられたら敵いませんよ……優勝は進藤さんです!」


「じゃあ何でも叶える権利も俺にあるんですよね?」


「あ、確かにそうですね。」


「じゃあその権利使わしてもらいます。」


膝をつきまるで結婚指輪をはめるような態勢の進藤。相手はもちろん


「愛梨。今まで情けない自分でホントごめん。告白したのに何にも手を出さないでマジでごめん。俺………ハツカノで怯えてたんだよ。何をしたらいいか。何をしてもいいか。分からなくて全く分からなくて。人にはピーピー言う癖に自分では全く出来ないクソ野郎だったんだよ。でも違う。でも変わる。変わるよ。変わってみせるよ。もう逃がさない。もう誰にも奪わせない。俺からだって出来るってことを証明する。見ててくれ。」


「進藤く………ん!」


進藤は百舌鳥先輩の唇を奪いそして舌で絡めるようにキスをする。


「っぱ!後は!」


その後は、ギュッと百舌鳥先輩を包み込むようにハグをする。


「…………俺だって出来る。俺からだって出来る。それを証明出来ただろ?…………死ぬほどハズイよ?死ぬほど暑いよ?けど出来るんだよ。何でかって?それはお前が好きだから!好きだから出来るんだよ。だからまた俺とやり直してくれ!頼む!俺にはやっぱり愛梨、お前が必要なんだ!お前がいないとやっぱり物足りないんだよ。だから、頼む!やり直してくれ!」

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