第418話 方程式も理論も理屈もない。それが恋ってモノ。

「スゴッ!皆そんなに見つけてくれたの?ありがと~!」


アリスがそう話す前には大量の宝石があった。


「いやいや。偶々あったので!大量に!」


「質より量作戦でいきました!」


「流石に紫の伝説の宝石は見つからなかったか~。黒井も見つけられず?」


「そうですね……………悔しい!アレが見つかれば断トツで優勝だったのに!」


「私は見つからなくてちょっとホッとしてるよ。」


「何でやねん?心音?」


「叶える内容が内容だからだよ!誰が納得して叶えたくなる?」


「要するに雄しべと雌しべを合わせて出来ちゃった!てへぺろ!ってことにしたい訳だったんだよ?それの何処が悪いの?」


「ヤッてから逃げれなくして結婚させようという気持ちがダメ!如何わしい!」


「何でやねん。香織も百舌鳥さんだってヤッてはるやん?なぁ?お二人………あれ?顔が暗くないですか?」


「………………」

「………色々と」


「特に百舌鳥さん。泣いた後が見えます…どうしたんですか?話聞きますけど………その前にお二人の彼氏さんは………」


「あ、晃太くんなら………」


「もう彼氏じゃないよ。」


「え?」

「へ?」

「う?」

「ん?」


「ちょっと!愛梨!?」


「どうせバレるし吐き出した方が楽なんだもん。」


「……………なら止めないよ。」


「私は、いや私たち百舌鳥 愛梨と進藤 優は今日をもって別れました。」


「何で…………?」


「そうっすよ!センパイ!中だしセックスで子供も出来て後少しだって言ってたじゃないすか?なのに何で………」


「嫌いになったの?」


アリスの言葉は一番簡単な言葉だが一番百舌鳥の心を撃ち抜いた。


「嫌いに…………なった………のかも知れないです。」


「つまりまだ未練が?」


「そんなこと言ったらまた泣いちゃいます……アハハ………未練タラタラなのに別れるなんて意味わからないですよね………アハハ………」


「分からなくていいじゃん。」


「へ?」


「わからないから一生かかっても治らない病気なんじゃん。恋って。」


「アリス………先輩…………」


「どんな話をしてどんなことになったのかはわからないけど一旦落ち着いてみたらまた考えも変わるよ。」


アリスの笑顔が百舌鳥には痛かった。


「ムリだよ………ムリだよ………ムリだよ………私には………そして進藤くんには……私という女は合わなかったんだよ…だから……潔く別れて………」





「愛梨!」




階段の上から聞こえるその声は、その声の主は………


「進藤………くん?進藤………優くん?」


彼女が愛した彼だった。

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