第417話 ガラスは割れたら2度と元には戻らない。だが戻らなくていい。より強固なモノで守ればいいんだから。

「行け!香織!」


「………うん!分かった!晃太くんを信じるよ!」


「任せろ!」


そう言って香織は百舌鳥先輩を追いかける。

残ったのは進藤と晃太の2人。


「晃太………俺どうしたらいいか分かんなくて。けど別れたい訳でもなくてけどどう言ったらいいか分からなくてだから………分かってくれるよな?友達なら?」


そう焦りながら言ってくる進藤の顔面めがけて

ガツン!

一発のグーパンチをお見舞いする。


「いてぇ…………晃太…………お前………何………」


「一発でも足りねーよ。ホントは三発は必要だよ。一発は俺、二発は香織、そして三発は愛梨さん………分かるだろ?」


「……………」


「お前、俺より酷いからな?ヤラれて付き合った俺よりも酷い。自分から告白して半年も手を出さないで愛梨さんを心配にさせてそして挙げ句の果てには一回別れてもいいかな?ふざけんなよ?お前?甘えてんじゃねーよ!」


「晃太…………」


「お前俺が付き合った時なんて言ってたか覚えてるか?え、まだヤッてなかったの?だぞ?お前にもそうゆう感性があるなら出していけよ。半年もキスもなく手を繋ぐ訳でもなく彼女を愛梨さんを不安にさせてそれでも男か?」


「……………」


「お前、愛梨さん好きなんだろ?」


「……………」


「こんなんで終わりたくないだろ?」


「……………」


「だったら立てよ。自分の力で。だったら動けよ。自分の力で。変えてみせろよ。お前自身を。」


「……………」


スマホを見る晃太。


「まだ30分、いや、もう30分しかない。お前が変われるか変われないかはこの30分にかかっている。」


「ゲームのこと?」


「お前が勝ってしっかり言葉を届けろ。」


「でも………」


「でもじゃねーよ!お前これで終わりでいいのか?」


「……………」


「終わりでいいんだな?」


「……………」


「どうなんだよ!進藤!」


「イヤだ…………終わりたくない………」


「ならやるしかないだろ。1つの希望に向かってやるしかないだろ!あの、あそこにある扉。アレを開けてみる。アレの中に無ければ30分死にもの狂いで探しまくる、それしかないだろ。進藤。ここがお前の見せどころだよ。今まで散々酷い姿ばっかりだったけど土壇場にお前は出来るヤツだって見せつけてやれ!それが俺の友達であり親友の進藤 優ってヤツだから!」


「………晃太………」


「説教してる時間も泣いてる時間ももうねーよ?もうお前はやるしかないんだ!分かるな?」


「分かる。分かった。俺死んでもこれじゃ死にきれない。だから死ぬくらいの気持ちでやってやるよ!」


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