第416話 ガラスが割れたら2度と元には戻らない。

「……………」


百舌鳥先輩の言葉を真っ正面から受けた進藤は停止状態に。

しかし停止状態だけじゃ意味がない。

応答が無ければ意味がない。

晃太も含めこの場に進藤の味方は1人もいない。正論は百舌鳥先輩が言ってるから。だから次の、進藤の、心の叫びにかかっている。


「………1度…………別れてもいいかな…とか」


「進藤?」

「進藤!お前!」

「……………」


「確かに告白したのは俺からだけど………手を出せない弱気な俺が百舌鳥先輩のためにならないなら………1度別れても………」


「1度別れるって何?」


「え?」


「また戻る訳?恋人に?」


「で、出来れば………」


「何で?」


「へ?」


「1度別れたならもう私に対する愛はないでしょ?だったらもう戻るとか戻らないとか関係ないじゃん。」


「………一回離れたら分かるものもあるかと………」


「ハッキリして!」


百舌鳥先輩の声は発狂にも近かった。


「何なの?別れたいの?別れたくないの?どっちなの?意味分かんないだけど?好きでいるなら普通に手をとってもう一回チャンスをってなるのに。ダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラ言葉を詰め込んで………逃げにしか聞こえない。」


「……………」


図星だろう。もう進藤も黙るしかない。


「別れるんだね?そーなんでしょ?」


少し涙声の百舌鳥先輩………別れるとか言いたくないのが痛いほど分かる。


「私のこと好きならすぐに手を伸ばしてくれた。けど伸ばさないってことは好きじゃないってこと、もう理解しちゃったよ。」


「ち、ちが………」


「ごめんね。半年も嫌な女と付き合ってるとか思ってたんでしょ?」


「ち、違う………」


「無駄な半年だったね。ごめんなさい。進藤さん。私勘違いして。私にはこんな彼氏は出来てなかったんだね。私が悪かったんだね。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。私が悪い。」


「百舌鳥先輩………」


「ここまで来ても愛梨って呼んでくれないんだね………私………バカみたい………」


涙を1滴2滴と流した百舌鳥先輩は


「じゃあ、さよならだね。」


「ちょ、ちょ、ちょっと………」


「短い間でしたが恋愛出来て良かったです。では。」


「あ、愛梨!ちょ、アンタ!進藤!動きなさいよ!動けよ!動けよ!このポンコツ!」


「香織。後は俺に任せてくれ。」


「晃太くん?」


「だから愛梨さんの元へ行ってやってくれ。ここは俺が何とかする。」

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