第409話 失うモノがない人間ほど怖い生物はいない。

「お前ら…………まさか…………」


「バレたら仕方ないね。グループライムを今さっき急遽作ったの。」


「何で?」


「え、これなら皆が聞いてくれるな~って。」


「お前限定2人にしたやん。」


「限定だけどプレミア化するのもおかしいしさ。」


「いやいや。話が違う。話が違う。雫と乃蒼が最初に来たから話すのは2人に権限があるって言ったやん。」


「けどやっぱり皆に伝えたくて。」


「何を?」


「晃太くんの オスの本性を」


ポッと赤くなる香織。

赤くなってんじゃねー………


ピロン。ピロン。

ライムが次々届く。見たことある面子から届く。届く。


「センパイ!意外とワイルドなんすね?私ともし付き合ってたら私壊されてたかも~、なんて!」


「ワイルド………見習いたい………師匠と呼んでもいい………?」


「お前ら2人も共犯だからな!許さないからな!あと師匠じゃねーし!」


「皆の前で酒の匂いちらつかせたらワイルドになるかな?」


「師匠…………酒の勢いは………アリ?」


「あ~!うるさい!お前ら!そしてケータイもうるさい!」


ライムコテージのヤツからめっちゃ来てるし。



「愛人様。先に香織にヤラれたのは不覚でした。が、ヒントを頂きましたので機会があればぜひ…………」


「脅迫文じゃねーか」


犯罪者やん。彗のヤツ。



「晃太くん!おめでと!赤ちゃん出来たらお祝いに皆でパーティーしようね!」


「アリス先輩………パーティーとかじゃないんすよ。マジで。」


アリス先輩は純粋だよ。



「よくやった。俺も続く。」


「続く必要は全くないですよ?先輩。」


忍先輩も続くとかやめてよ………



「うちの優くんに酒を匂がしたらすぐに寝てしまいました。羨ましい。その体質。」


「俺は進藤の体質が羨ましいですけどね?」


百舌鳥先輩………どうやっても進藤からヤラセたいんだな………


「酒…………痛い…………」


「ごめん。進藤。」


ほら被害者出てるから。



「姉として言えることはおめでとう……なのかな?」


「絶対違う。」


「じゃあ何て言えば………」


「願っておくね。」


「え?」


「姉さんが黒井と中だしするのを。」


「やめてよ!」


焦りのスタンプを押しているがその当人黒井は。



「俺も君のお姉さんと中だしすぐするな!一緒に赤ちゃんつくろうぜ!」


「最低。あとアンタは香織に有刺鉄線やらゴムやらあと酒とウイスキーボンボン……この事態になったのはアンタのせいだからな?」


「セッティングは任せてもらいましたよ?けどヤッたのは晃太やん?罪のすり替えは良くないで?」



この野郎…………


「俺…………もう失うモンないんじゃない?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る