第405話 暴れるもう1人の自分は止めることは出来ないのか
ウォッカ………度数が高い酒ということは知ってる。酒に詳しくなくても某探偵漫画を読んでいたり見ていたら入ってくる知識だ。
そのウォッカが頭からかかってくる。
少量でもその匂いは強烈で………
「っ!」
急いで頭を水で洗い流す……だが。
匂いというモノは充満して残る。
「お前………香織………お前も酒に弱いだろ!」
「晃太くんよりはマシだけどね?匂いでは酔わない。」
「けどこの空間にいればお前だって……」
「これは捨て身の技なの。私が先に倒れるか、晃太くんが先に倒れるか、その勝負なんだ、よ!」
「っぱ!お前!」
残りのウォッカを晃太にむけてかける香織。上手くガード出来ず顔にかかりに数滴口に入った………
「っあ……………」
ヤバい。頭がクラクラする………ヤバい。
「ほら。晃太くん。危ないよ?ベッドで横になってないと………」
「ヤバい………ヤバい………ヤバい………」
自分でも分かる。自分じゃない。自分が目覚めるのが。そしてその自分は狼のように獰猛だとも。
「み、水………」
「水はダメ。飲まないのぉ?」
「頼むから………助けて………」
「まだ意識あるのか…………なら………」
また何かかけてきた。そして口には何かを入れ込む。
「もう1本のウォッカとウイスキーたっぷりボンボンだよ!」
「………………」
目の前がクラクラする。そして香織が2人に見える………ヤバい。これは………
「負けて………たまるか………」
「負けてもいいんだよ?負けたら快楽が待ってるんだから?」
「快楽………じゃ……ねーよ………」
言葉の発声もままならない。
もう無理。もう………晃太………は…………いない。
「………………」
「晃太くん?」
「香織ぃ?」
「どしたの?晃太くん!」
やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。
残り少ない正常な自分が止める、止めようとするが………もうその自分は………数%で…残っている自我は止められる自我は、もうこの場所には、
いなかった。
「香織ぃ。」
「なぁに?」
「ゴムあと1つあるじゃねーか。」
「あるね。」
「捨てろ。」
やめろ。やめてくれ。
「はーい!ポイ!」
「捨てたか?なら服脱げ。オレも脱ぐし。」
やめろ。誰か止めてくれ。
「よし、9時だな?12時間だろ?しっかり避妊しないでヤりまくるぞ?」
「お~!」
やめてくれ…………暗闇で手を伸ばしていたもう1人の晃太は……もう1人の晃太の前の光は全て消え。
プツン。っと全ての記憶はそこで消えた。
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