第401話 待ち受けって見られていい写真だけを設定しないと後々弁解に苦労する
「よし!チーズフォンデュ!」
「なんなん?そのチーズフォンデュって」
「チーズフォンデュ知らないの!?美味しいよ?食べにいこうね!」
「チーズフォンデュは知ってる。でも何でカメラで撮る時にチーズじゃなくてチーズフォンデュなんだよ?」
「チーズフォンデュ美味しいから。」
「理由はナシね。あ~、聞いたオレがバカでした。」
「あ~、初めて恋人になってしっかりとしたツーショット写真が撮れた~!嬉しい!これは待ち受けにして………晃太くんも待ち受けにしてね?」
「あ~、はいはい。」
「今!」
「今?」
「ナウ!」
「マジで………めんどくさ………」
「ちなみに晃太くんの待ち受け写真は?」
「あ、え、いや。」
晃太の様子が変わった。
「あ~、えっと………オレの好きなアニメのキャラのイラストだよ?」
「へー。晃太くん。嘘つきだね。」
「嘘つき?」
「そう言えば私晃太くんの待ち受け見たことないかも。」
「絶対あるだろ!」
「ないない。だから教えて?」
「いや…………その…………」
「見せられないの?」
「あ、あぁ!見せられないね!これだけは見せられない!」
「何?浮気?浮気なら今すぐ有刺鉄線に突き落とすよ?それかスマホバキバキにするよ?」
近づく香織。
「見せて。晃太くん。」
「嫌だ。マジで嫌だ。」
「見せて。荒っぽい真似はしたくないの。」
「だから嫌だって………」
「足蹴り!」
「ちょ………」
右足の軸をぶらされる。
「もうイッチョ!」
もう一回逆に足蹴りを入れたことで晃太の体は床へと沈んだ。
その体の上に香織は乗る。
「み~せて?」
「イヤ。マジで………あの、キスでもするから許して。」
「キスは後から何回でもするからそんな大切なモノじゃない。」
「ディープキス!ディープキスするから!」
「それも後でするから大丈夫。」
「オレが許可してないモノが次々後からされるんだけど?」
「ともかく渡して?往生際が悪いよ?」
「悪くても渡せない………ってアレ。スマホ………」
「電源ボタン何処?」
マジックか?マジックのようにスマホが香織の手の中に。
「ここか。」
「ちょ、マジで待って!」
スマホの待ち受けに写し出されたのは
2年前の夏祭り2人で行った時に撮った香織の香織の香織のワンショットの写真だった。
………何もやましい気持ちはない。親友だったヤツの写真を待ち受けにしてただけだもん。おかしくないよね?オレおかしくないよね?
香織の様子がおかしいしもうそちらを振り向きたくないけどおかしく、ないよね?
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