第399話 完全包囲で送る12時間の試練
夕食後、晃太部屋にて。
現在時刻は8時40分。
心と準備を整える。
まず、腹。あんまり食べ過ぎないようにした。何があるか、何を仕掛けてくるか分からないからな。
そして、水分。ペットボトル2L×3 これで足りるだろ。いや、足りてくれ。
そして何よりも一番大事なゴム。
香織はナシでとか言ってたけどやっぱりナシはダメダメ。恥を忍んで黒井に貰いにいった。
「え?今日はハッスルですか?え、1ケース?1で足ります?5くらい入りません?12時間ヤるんでしょ?それならそれくらい用意しないと。まぁ、ナシでもいいですけどな。」
「よくねーよ!」
ということでなんとか5ケース頂いた。これが命の繋ぎ目みたいなとこあるからね?
後は自分の性欲。これが一番大事。いくらヤツがヤる気でもオレのオレがヤる気じゃないなら意味なしでしょ?だから心頭滅却する。心頭滅却すれば火もまた涼し。性欲すらもナシに。
コンコン。
「え?」
晃太は驚いた声を出す。
「入るよ?」
入ってきたのは香織。
「え、何でえ?って言ったの?」
「いや、時間まだだし………」
「セフレは集合時間早いでしょ?それと同じ。」
「知らない。知らない。そんな理論。」
「それに準備も必要だし。」
「準備もって………何そのお菓子の数」
「大量でしょ?大丈夫。晃太くん夕食少なめだったから食べて力つけて貰おうともらってきたの!」
「見られてる………てかもらってきた?」
「和虎に。」
黒井………アイツ………余計なことばっかり。
「おし。じゃあ私もしっかり準備するね。よいしょっと。」
「おい。お前何をして……………」
何かをセットしている。扉に。そんな時間もかからずセット完了しそして鍵を外の廊下に置いたまま閉める。
「これね。時限式ロックって言って設定した時間にならないと絶対に開かないの。」
「は?」
「今12時間ってセットしたから12 時間後に外から鍵を開けてもらえてようやく出れるんだよ?」
待て待て待て待て。今そうとうヤバいこと聞いてる。
「外は2階。飛び降りれそうだったから晃太くんの窓の下に有刺鉄線はっちゃった。」
「どうやって!」
「和虎が」
「黒井…………アイツ………」
余計なことばかり!
「あ、そうだ。私ノート持ってきたの。」
「ノート?」
「そう。この12時間でやりたいことリストを。」
「リスト?」
「これこなすまで終われないよ?てか12時間はどう頑張っても出れないからね?」
香織のその言葉は悪魔の言葉に聞こえた。
そして晃太の人生で一番長い12時間が今始まった。
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