第389話 一流の変態への進化、それは進化ではなく退化

目を覚ますとそこは、


「え?コテージ?ベッド?あと、何で裸?って…………」


「あっ。」


目と目があったのは晃太のパンツを下げようとしている香織だった。


「香織。」


「はい。」


「ステイ。」


「はい。」


「リリース。」


「ノー。」


「しろよ!」


「しないよ!もう!あと1時間くらいは倒れててよ!」


「お前の欲で倒れてられるか!というか…倒れて………?俺倒れてたのか?」


「そっか。記憶ナッシングだもんね。」


「記憶………灰カスに会ったのは覚えてるんだけど………その後から全く覚えてないんだけど………」


「あ、やっぱり。」


「やっぱりって何だよ?何?俺何かやらかした?」


「まぁまぁ。まぁまぁ。まぁまぁ。」


「まぁまぁ。じゃなくて説明しろよ!」


「じゃあ1セックスしたら説明する。」


「そんな単位はない。」


「作ったもん。」


「あ~、あんまり突っ込ませるな。頭痛い………せっかく鬼虎先輩に会えるはずだったのに記憶全くねーよ。」


「めちゃくちゃ口論、口での殴り合いしてたけどね。」


「え?何て?」


「いや~。何でもないよ~。」


教えてくれない香織。もういいや。後から他のメンツに聞こう。


「てか進藤とかは?」


「彗は何か気持ち悪いからってお風呂に愛梨と進藤は多分愛梨の部屋にいるんじゃないかな?これからのことについて話してるんじゃない?」


「これからのこと?」


「まぁ、鬼虎先輩との決闘。」


「決闘?」


「まぁ、撒いたのは晃太くんだけどね。」


「え、俺が撒いた?何故俺が?」


「まぁ、成るべくしてなったと思うよ。だから大丈夫。大丈夫。」


「うわ~、記憶ないってこんな怖いんだ…」


絶対記憶はホールドしよ。


「というかさ!話は変わるけど!」


「何だよ?」


「気にならない?」


「何が?」


「お姉さまと黒井さんのその後。」


「その後?」


「私たちが帰ってくるまでに1時間30分はあったよ?つまりその間に何かヤッてる可能性大ってことだよ!」


「別に興味ない………っていうか……姉のそーゆーの興味持ったら終わりだと思ってるから。」


「終わりじゃないよ!始まりだよ!姉のそーゆーの気になってこそ一流の変態だよ!」


「何なの?一流の変態って?俺ならないからな?一級に。」


「じゃあ二流の変態でいいの?」


「待って。現状俺二流の変態なの?」


「そうでしょ?」


「三流の変態だろ。」


「私と付き合ってるから二流の変態。私が一流の変態だから比例して。」


「嫌な計算式だな………」


反芻されてるのマジでヤダ。


「だから一流の変態に進化するためにも行くしかないでしょ!4階へ!」


「だから、別に進化しなくていいから。」


逆に退化してるから。


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