第387話 1人称僕っていうヤンキーが一番怖い

2階には男が1人、まるで女を見下ろすようにそこに座っていた。

その場所へと一歩一歩歩みを進める。すると


「あれあれ?まだ誰も僕指名してないんだけど?あれ?間違えてきちゃったぁ?」


あどけない声とは対照的に顔はまるで韓流アイドルのように整っていた。


「あれ?あれれ?そこにいるのは愛梨ちゃんじゃん!久々~。」


「近づかないで!あまり距離を詰めないで。」


「ん?何何?愛梨ちゃんの友達?」


「2年の香織と」

「彗」


「何何?3人の女子も僕のパーティーに来てくれた訳?」


「パーティー?」


「そうパーティー。他のコテージから女だけ呼び出してきて集めて僕のためだけの女の空間をつくる。そういうパーティー。」


「気持ち悪………」


「あれれ?僕の顔見ても惹かれない?おっかしいな~?大体は落ちるんだけど?」


「もう1人の男に堕ちてるから。アンタなんかに堕ちないから。」


「なるほどね。それでも落とせる自信あるんだけどね?」


「愛梨…………コイツ………何?」


「私も何が何だか………部活の時とはキャラが違ってて」


「当たり前でしょ?部活の時から猫被って愛梨ちゃんも落とそうとしたのに。」


「も?」


「僕さ。部活に入って全ての女子の唇奪うか、またセックスするかを目標に色んな部活入って達成してきたんだよ。だけど。愛梨ちゃん。君だけはムリだった。悔しいよ。」


「それじゃあ貴方が色んな部活に入っては辞めてた理由って…」


「部活の女子を食い尽くしたから。だね。」


「最低。」

「気持ち悪い。」


「あらあら。そちらのお嬢さんはドン引き?おっかしいな~?俺の顔見たら引かないと思うんだけど?」


「気持ち悪いです。」

「最低です。」


「繰り返し言うか。君たち面白いね?君たちも落としたいけどまずは愛梨ちゃん君だよ。」


「落とす落とす言うけど、もう私には堕ちてる人がいるから。ほら彼。」


「ほう?君が?」


「あ、あ…………進藤 優です……」


「めっちゃ緊張気味じゃん?え、もしかして陰キャラ?あ~、煌びやかな感じ苦手な日陰組だね?運良く愛梨ちゃんという大魚を捕まえたけど君には身の程を知らないといけないよ?君にはもったいない。愛梨ちゃんは僕にこそ相応しいんだよ?分かる?」


「うっ…………あっ…………」


めちゃくちゃ言われているが返す言葉が急に思いつかない。


「何?何?黙っちゃって?図星つかれて焦ってんの?アハハ!無様!笑えるね!」


「鬼虎………」


百舌鳥が言葉を挟もうとした、その時。


バチン!


鬼虎の顔をしばく音が聞こえた………


「え?」


しばいたのは…………


「うぃ~。」


晃太だった。

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