第386話 酒と女とラップとクズ
「何じゃこれ…………」
そこはもうコテージではなかった。
まるでクラブのような雰囲気でミラーボールが光り皆がかかっている音楽に乗せて踊っている。
そして…………
「クサっ!酒クサっ!」
充満するアルコールの匂い。
吸ってるだけで酔いそうだ。
「おっ?また女来たか?って………お前ら」
「あ、灰カス。」
「先生に向かって灰とかカスとか言うな?俺の何処がカスだよ?」
「まずこの状況を容認してることがカスだけど?」
灰カスはうちのクラスの担任。だから2年の何処かのクラスに紛れているとは思ったが。
「よりによって何でこんなクラブみたいなとこに先生いるんですか?」
「お?女ってお前らか。ビッチが大量に来たな。」
「先生。私たち怒りはしませんけど。そのうち溜め込んだモノ一気に投げ込んで先生の教師生命終らしますからね。」
「あ~、そ~。ならそれまでに金貯めねーと。」
「ムリですよ。アンタには貯蓄がまずムリですから。」
「酷いこと言うなぁ?沢?」
「あの………あんまり近寄らないでもらえます?」
「何だよ?加齢臭か?まだそんな歳じゃねーぞ?」
「じゃなくて酒臭過ぎるんですよ。」
「あ?」
「今昼の2時ですけど、いつから飲んでるんですか?」
「朝から。」
「朝?朝からこのクラブみたいなモノが行われているんですか?」
「クラブは昨日もしてたぞ?お前らが来なかっただけだろ?」
「知りませんから。まずこのコテージの状況を。どうなってるんですか?」
「あ?知りたいか?」
「知りたいとかより知らないとマズイでしょ。」
「まずくはないが………まぁいいや。酒持ってきてくれたら話してやる。」
「龍が○くのサブクエじゃないんですから」
「沢。お前例えが厳ついねぇ~?」
「晃太くんが好きでよく見てましたから」
「だけど俺はホームレスじゃないよ?」
「ホームレスみたいなモンでしょ。さっきから1度も立ち上がろうという気力がないですよね?」
「気力は何処かに置いてき……イテぇ。」
「ウォッカです。もう酔いつぶれてください。喋ったら。」
「はいはい。うるさいヤツだな?わかったよ?喋るよ?何が聞きたいんだよ?」
「このコテージの有り様についてですけど?どうしてこんなことに?」
「酒か?女か?歌か?はたまた全部か?」
「全部です。色々とおかしいじゃないですか?来る時の道中もおかしかったし。」
「あ~、他のコテージも見たのか?」
「どうしてこんなことになってるんですか?」
香織の問いかけに灰カスは2階を指さし1人の男をとらえる。
「詳しいことは全部アイツに聞きな?」
「…………鬼虎………くん。」
「え、あの人が鬼虎楓?」
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