第385話 簡単に一生のお願いは使うな。

「これ………入るの………結構気合いいるな………」


「大丈夫だよ。晃太くんは何も心配しなくても。全部進藤がするんだから。」


「え?」


「当たり前でしょ?私たちは付き添いよ?当事者はアンタと愛梨でしょ?しかも私は愛梨が心配で来てるんだから。アンタがしないで誰がするの?」


ツンデレでもなんでもない。香織は進藤にはツンツンである。


「愛人様に変なこと押し付けたら黙ってないですからね?」


彗もツンツンである。


「あ、分かった。」


「どうしたんですか?百舌鳥先輩?」


「この曲 housep○rtyだ。聞いたことあるな~って」


「バリバリヒップホップですね………てか百舌鳥先輩ヒップホップ好きなんですね?」


「ヒップホップにラップにK-pop好きだよ?」


「私もK-pop好き。」

「私もラップは時々聞きます。だからこの歌も分かります。あ、歌変わった。あ、この歌は」


「「シェケバディだ。」」


「あ、そうなんすね。めっちゃ知ってますね………」


「ラップはいいよ?」


「1度聞いてみたら?」


「考えときます。」


てかそんな話ではなく。


「確かに入りづらいな………」


「晃太………」


「一生のお願い。あの扉開けて?」


「進藤………お前な………」


「情けないのは分かるけど………怖いから!ラップが大音量で流れるコテージに入ろうなんてそんな勇気俺にない。」


「お前………これから鬼虎先輩と相対するんだぞ?それ………大丈夫か?」


「分かんない。分かんないけど………今は今、後は後。だからお願い。開けて?」


「進藤………お前なぁ?」


「晃太くんに使う一生に1度のお願いはそれなの?」


「へ?」


「これから何があっても晃太くんは助けないよ?」


「いや、助けはす」


「シャラップ。ビークワイエット。」


「俺の意見が拒否されたんだが。」


「それでもその一生に1度のお願い使うんだね?」


「はい。」


「だってさ。晃太くん扉開けるだけ開けて?」


「ちょっと待てよ………俺だって結構ビビるよ?この空間………あ、また歌変わった。」


「あ、これは……」


「「ファックスアップ」」


「そうなんですか?もうよく分からないですけど………ノリのいい曲ですけど………は~、仕方ない。開けるだけだからな?」


「恩にきる。」


晃太は大音量コテージの扉の前に立ちまずピンポーンをする、が………


「まぁムリだよな………」


こんなうるさいんだからピンポンが通じる訳ない。


なら、


「すいません!誰が開けてくれません?ちょっと用事で……すいません!………って、え?」


ドア………鍵開いてる。

開いてるドアを開け中を見るとそこには。

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