第383話 どちらに行っても結局ハプニングは待っている。

料理は出来上がったようだ。

夏にはピッタリ。冷麺がつくられていた。


「う~ん。冷たくて美味しい!」


アリス先輩はいつもいつでも楽しそうだ。

晃太も冷麺をすすりながら周りを見る。そして少しの変化を見つけた。


「黒井さん。」


「え?何?」


「ハンバーグ………作ったんすか?また。」


皆の周りには冷麺とコロッケが置かれている中1人だけハンバーグの黒井さん。


「あ、気づいたぁ?バレたか~」


ニヤニヤ笑う黒井さん。

あ、めんどくさいこと聞いたな、と思いもういいですと言おうとしたが。


「実はね~?心音がさっきのハンバーグ1個全部食べてないからまた作って食べてほしいって」


「ちょ………私言ってない。アンタが作ってって言って………作らないとキスするって言うから………渋々………」


「とか言ってますけど本音は全部食べて欲しかったんだよ?この子。」


「か、勝手に決めつけないで………」


「じゃあ聞くけど何でブルーチーズ入れたの?チーズインハンバーグにしたの?別にする必要ないじゃん?」


「それは………」


「俺に食べて欲しかったから。俺に一番美味しいモノを食べて欲しかったからそうでし」


「あ~!もう!そう!そう!そう!」


あ、姉さん壊れた。


「ホント可愛いな~。お前は。」


「頭を撫でるな………」


「照れてるのか?大丈夫だって。」


「照れてるとかより皆見てるから………」


「見てないところならいいんだな?」


「へ?」


「皆さん聞いた?言質とった?今言ったよね?見てないところならいいって心音言ったよな?」


皆無言で頷く。どうしてこうゆう時の団結力は強いのか………


「てことでご飯終わったら俺の部屋に来い。」


「え。ちょ。」


「拒否権はないし無理矢理連れていくから。」


「な、何するのよ…………」


「それは行ってからのお楽しみだろうよ。」


「ちょ、ちょ、ちょ、た、タンマ………」



「というか食事が終わった後にあの鬼虎 楓のコテージに行くのは………」


「はい!」


「百舌鳥様と。」


「愛梨のために行くよ。ね、晃太くん?」

「どうせ行かされるんだろ?」


「香織様と晃太と。」


「…………………っ」


「進藤様。この4人で良かったですか?」


「あ、愛人様行くなら私も行く!」


「綾崎様も追加で。5人ですね?5人でコテージに向かうのですね?では地図をお渡しします。リーダーは………やはり一番の当事者である進藤様にお渡ししますね?頑張ってきてください!私も頑張りますので!」


「任せて!優くんと共に全て解決してみせるから!」


「ちょ、私も頑張るって………何を頑張るつもりなの?ねぇ?和虎!」


中も外も事件が起こりそうな匂いがプンプンするな。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る