第378話 親に正解はパン粉だって聞いて初めてハンバーグにパン粉が使われてることを知りました。コロッケじゃないんだね。

「……………」


混ぜてる。混ぜてる。混ぜてる。混ぜてる。混ぜている。めっちゃ混ぜてるよ。もう10分、1時間、1日、1年は………いや10分以外は嘘ついた残り時間は今30分を切ったところ。

つまり10分は混ぜてるということ。

だが何故だろう。何故なんだろう。

生地がまとまらない。ドロドロのままなんだけど………

やっぱり卵2個は多かったか?1個で良かったのか?いや、それだけじゃないだろう。何か違う。何かが違う。肉に卵に塩、胡椒入れて混ぜ続けてるけど…………


「まだ何か足すのか?」


自問自答しても答えは出ない。現実はドロドロの肉と卵の混ぜ合わせが出来てるだけ。


「いや、ダメだ!これまとまんない。絶対まとまんない。何か入れないと!」


やっぱりさっき言ってたパン粉?けどそれってコロッケつくるときのヤツじゃないの?俺はコロッケじゃなくてハンバーグつくるんだよ?けど………よくよく考えてみたらコロッケとハンバーグ似てても工程が違うじゃん?

コロッケは揚げるけどハンバーグは焼くじゃん?油の中にダイブさせるか火の中にダイブさせるか、ちょっとのようでかなり違うからパン粉使っても良いのでは………いや待て。誰がパン粉が正解だと言った?パン粉が正解じゃないかもしれないじゃないか。もっと固まるモノ………例えば………ゼラチン。ゼラチンとか、……………いや、入れないよ?流石にハンバーグつくるって言ってスライムつくるようなバカな真似はしないよ?しないけどしないけど………ゼラチン、みたいな何かしら固まるようなモノを見つけだせれば正解だ!よし!探そう!

片栗粉。よく何か使うイメージあるよ。けど料理といってもお菓子に使うイメージがあるね。だから何か違う気がするね。


小麦粉。小麦粉は晃太でも分かる。パンにつかうよね。パンには小麦粉いっぱい使うよね。だけどハンバーグにパンの要素は………ないよね。


パン。ちゃんと言えば食パン。食パンちぎっていれたらかたまらないかな?けど見た目がヒタパンみたいにならない?一時期流行った浸すパンヒタパンみたいにならない?


「ヤバいヤバい…………」


もう時間ないって。皿に用意して目の前に置かれたテーブルに置く時間ないって。

どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。

そんな焦りの晃太の目線の先に ソレ はあった。

確実に違う。そう頭では理解していたが今ここにあるものでかたまりそうなモノといえばこれしかない!そう思い、それをいれハンバーグを何とか形にして焼き………

ピピピ。

何とか時間までに終えることが出来た。

当然一番最後に晃太が出来上がった。

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