第376話 3分クッキングは10分クッキングに改名すべきという持論。

「ふぅ…………」


1時間のタイムリミットが迫る中晃太は置かれている食材に目をとおす。

カボチャ、何故カボチャ?スープでもつくれと?

麺、いやもう系統が違うから。

魚、いやいやもう一品つくれと?

で一番の謎はこれ。何これ?薬味?漢方?いつ使うの?今ではないでしょ……………


「はぁ………作るか。」


グチグチ言っても何も始まらない。というかハンバーグは出来上がらない。あ、これが完成したハンバーグでーす、みたいに3分クッキングみたいに出てこない。てかアレ昔から謎なんだけど3分クッキングって言っておきながら番組時間10分あるよね?CM抜いても3分では絶対ないのに何で3分って言い切るんだろ。ずっと何か地味に気になるんだよね。番組名が嘘じゃん。それってどうなの?っと話がそれた、それた。そんなことしている間にもタイムリミットは迫ってるんだから。早くしなければ。

じゃあ始めるか。邪魔くさい。邪魔くさい。邪魔くさいよ?邪魔くさいけど進まねば行けぬ時だから仕方なし。

まずはお肉から。

丁寧に豚肉 鶏肉 ひき肉 牛肉と肉の種類多めでお送りしてますけども。


「何使うか………」


豚肉?豚だっけ?豚のイメージはソーセージのイメージしかないんだけど。ハンバーグのイメージないんだけど。


鶏肉?ハンバーグって鶏だっけ?コケコッコーだっけ。こんな薄い感じの肉で良かったっけ?


ひき肉?ひき肉です。ひき肉はひき肉だし。これ何のひき肉?よく分からないんだけども?ひき肉ってひき肉だけど一体なんなの?


牛肉?牛か。確かに豚よりか牛の肉使ってますよ~。ってハンバーグから声が聞こえる。………あ、これ比喩ね?比喩表現だから。聞こえてたら耳鼻科行くか精神科行くから大丈夫、大丈夫。


この4つの中から何を選ぼうか………

ここで皆さん思うことがあると思う。視覚は遮られてるけど聴覚、つまり耳での情報は入ってくるんじゃないのか、と。

チッチッチッ。甘く見たらいけない。あの天才バカどもを甘く見たらいけない。そういうズルが出来ないように今耳にはヘッドホンがつけられている。つまりヘッドホンつけながら視覚の遮られた部屋で料理してる。一種のホラーである。まぁ、ヘッドホンから聞こえる音楽は自分が好きな音楽なので苦ではないのだが………いかんせん情報がない。情報が少ない。どうすれば………う~ん。悩んだ結果………使う肉は牛肉にした。一番ハンバーグっぽいからね。さぁ、その肉を決めた時点でもう5分が経過していることは見なかったことにした。

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