第375話 レッツプレイクッキング! アイムスリーピー

「は~い!皆さん準備出来ましたよ~!さぁさぁお入りください!」


「あ~気が重いわ。」


「軽い気持ちで作ってよ!レッツクッキング!」


「クッキングの気分じゃねーのに勝手にクッキングの気分にさせられてる気持ち分かる?結構苦痛よ?」


「制限時間は1時間です。」


「おい。無視すんな。」


「いや、無視じゃないです。司会ですから。初めての司会なんでルンルンなんです!」


「雫………可愛い………」


「あ、可愛いでしょ?乃蒼も可愛いよ~!っと、あ、制限時間は1時間です。出来ても出来なくても出してください。そして1つ一番大事なことなのは、恋人が自分の料理を見極められるか。そこが重要です。そこをメインに頑張ってください!」


司会ルンルンはマジだったんだな。マジでイキイキと司会しとるわ。


「では私たち食べる、判断する組は違う部屋にいます。1時間したらアラームがなるようにセットしておきますのでそれで帰ってきます。」


「お前らはその間何してるんだよ?」


「え、ま~モニタリングしたいんですけどあいにく機材を準備するのが……」


「間に合わないのか。」


「めんどくさくて」


「めんどいだけかよ?」


ずっこけそうになるわ。


「だからモニタリングの代わりに恋人のいいところ恋人の悩み事いっぱい話してきます。」


「それも不安なんだけど?」


何を話すつもりだよ?どうせロクでもないこと話すんだろ?絶対そうだよ………間違いない………


「じゃあ私たちが出たらスタートですからね?この部屋から出たらスタートですからね?じゃあ、パートナーに一言ずつ話してからスタートしましょうか?」


「忍。怪我には気をつけて。ケチャップかと思ったら血だった、とかやめてね?自分の体は大切に。」


「心音。旨いのは知ってるから何の心配もしてない。頑張れい。」


「優くん。私優くんの料理初めて食べるね?それだけで嬉しいよ。もし優くんが劇物入れても喜んで食べるから安心して?」


「愛人様!ハンバーグは肉汁が大事です!そこを気をつければ大丈夫です!愛人様なら大丈夫!」


「晃太くん。無理しないでね?無理するくらいなら何か入れて?涙か血か唾か………」


「乃蒼!らぶたんだよ!ではでは料理SHOWスタートです!ポチっとな。」


全員それぞれ各々凄いインパクトアリアリな言葉を残して去っていった。

…………………………

さぁ、どうするか。

いや、どうするかじゃない。どうもない。もう道は1つしかない。ハンバーグを1時間以内に作るしかない。それしか道はないのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る