第361話 人には2種類の人間がいる。それはボケかツッコミかのどちらかだ。分類されたらそれに抗うのはほぼ不可能だ。
「ではでは開催!第1回女子だけのコイバナ~!」
「いぇーい!」
「フゥー!」
「おー!」
「わぁー!」
「いぇーい………」
「……………」
「司会を担当します。沢 香織です!よろしくお願いします!」
パチパチパチパチと拍手が鳴る。
「ということで今からコイバナをしていきたいんですけど、どんなテイストでやりたいですか?」
「あ、はい」
「彗。」
「あのまったりとお洒落に喋る感じかな。」
「グータンね。」
「は~い!」
「雫。」
「何かドキュメンタリーみたいにシェアハウスでやる的な感じで」
「テラス感ね。でもそれ倫理的に。」
「あ、よくないか。」
「はい…………」
「乃蒼。」
「普通に………まったり………布団に………くるまって………喋る………」
「アリ!それでいい人!おー、皆?あれ?お姉さまは?」
「あ、いや………」
「いやですか?布団にくるまって喋るの?」
「いや………いいけど………」
「じゃあ皆布団に入れ~!」
香織の合図で布団に入った女子。
「入ったね?ではでは何から話す?」
「何から話そうか?」
「何から話そ?」
「あ、分かった!」
「どうぞ。雫。」
「心音さん!」
「へ?私?」
急に標的にされビビる心音。
「今この中で一番恋愛経験がないのが心音さんですよね?」
「え、そ、そうかな?」
「歳の分だけ経験があるとは限りませんから。一番ないですよ。確実に。」
「め、めちゃくちゃ……言うじゃん………」
「だからこそ心音さんに恋愛を知ってもらおうとより知ってもらおうと私たちがレクチャーしていこうじゃありませんか!」
「なるほど。」
「いいね!人のためになる!」
「楽しそう!」
「愛人様の親族には優しい対応をしたいですからね」
「私たちが教えられる分なら」
「教える………」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!まだ私は何も………」
「そんな遠慮しないでくださいよ!」
「遠慮はしてないけど………」
「私たちが黒井さんとの仲をより良くしていきますから!」
「べ、別にいらない………」
「セックスまで持っていきますから!この後できるように!」
「いや、別にいらない!し、ヤらないし…」
「それはいいね。」
「セックスまで」
「持っていって」
「愛人様のお姉さまの幸せを」
「幸せは皆のモノだからね」
「ヤらせよ…………」
「団結力が……ちょっと待って!」
「大丈夫です。お姉さん。」
「え?」
「1から10まで教えるので安心安全です。」
「そうじゃなくて別に求めてな……」
「よし!まずはこのお姉さんの話題から始めよう!」
「「「「「おー!」」」」」
心音は弟が言ったことをもう一度フラッシュバックさせる。
あ、私ツッコミ無理かも。
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