第360話 ボケとツッコミは1対1で丁度いい

「では。次の企画に………」


「あっ、黒井さん。」


「どうしましたか?香織様?」


何故か挙手する香織。


「企画もいいんだけどさぁ。せっかく旅行に来たんだから1つしなきゃいけないこと。あるでしょ?」


「しなくてはいけないこと。」


てか旅行になってるし。林間学校だ、っての。


「そう!それは!コイバナ!男女に別れてのコイバナ!こうゆう行事事で一番楽しいヤツですよ!」


コイバナ。

確かに創作物の修学旅行とかそんなのでは夜遅く布団にくるまってしている姿がよく見られるけど。普通………するのか?普通しないので


「なるほど!それが必要なんですね!」


「必要というか必須だね。」


「なるほど!では今から何をしたらいいですか?」


「う~ん。そうだね。空き部屋ってある?」


「あります。あります。めちゃくちゃあります。」


「じゃあちょっと離した場所2部屋を用意してそこに女子が1、2、3………7。7人分布団用意して!男子は4人分!」


「分かりました。では男子の皆さん力を貸してもらえますか?」


「分かりました。」

「……………」


「ちょっと待った!」


従順に従う忍ともう考えを放棄した進藤とは違い1人まだ立ち向かう男、それが。


「何なん?晃太?」

「どうしたの?晃太くん?」


「黒井さん、もうホントにオレに対する言葉がユルユルになってますね……」


「当たり前やろ。未来のお兄ちゃんやで?」


「やめてください。生々しい。」


「あ、ごめん。」


「何すか?」


「こういうのを男女に別れてするのに今いったら楽しみ減るよな。ごめん。今の続きはまた後で……」


「いや、そんな心配しなくていいですし、てかコイバナ………を今からするんですか?」


「するで」

「するよ」


「するよ、じゃなくて大丈夫ですか?」


「何が?」

「何が?」


「いや、渋滞しない?」


「渋滞?」

「車は乗れないよ?」


「いや、車の渋滞じゃなくて………ボケの渋滞………」


「ボケの」

「渋滞?」


頭をかしげる2人。


「いや、かしげるかな………いや、分からないかな………男子はまだオレがいるからツッコミが出来て会話が成立するのよ。だけど女子は………」


「え、私ツッコミでしょ?」

「バリバリボケだわ。」


「愛人様!私は」

「ボケ」


「私は?」

「百舌鳥先輩もボケ側ですよね。」


「雫は?」

「ボケ」


「ワタシ………」

「ボケ」


「私は何だろう?」

「アリス先輩はボケでもツッコミでもないです。ただ流れにのっちゃうんです。」


「ほら見ろ。ボケの渋滞じゃねーか。話になるのか?」


「お姉さんは?」


「姉さんは……ボケだよ。まだ。でも少しツッコミ出来るかもしれないから………姉さん期待してる。」


「え、期待?」


「6人をまとめられるならまとめて。多分無理だけど。」


「決めつけ良くないよ!」


「だって多分………」


「何?」


「いや、言わないでおく。言わないでおくし仕方ないから布団しくけど………まぁ姉さん頑張って。」


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