第358話 人は圧をかけられると壊れていく。

「え、オレ?」


鳩が豆鉄砲食らったような表情をする進藤。


「え、今の流れだと心音さんじゃあ………」


「心音は後で2人きりになった時にじっくり聞くんです。どうされたい?どうしたい?何したい?と。ゆっくり尋問するんです。だからいいんです。」


「めちゃくちゃ嫌だ………」


「仕方ないよ。性に目覚めたんだから。」


「違う!知的興味で!」


「はいはい。分かった。分かった。分かりましたよ。後でしっかり聞くから今はゆっくりしてな?で進藤様?」


「ちょ………待っ…………」


後ろで真っ赤になる心音を無視して黒井は進藤に話し続ける。


「進藤様にダーツ投げてもらいたいんですよ。是非!」


「…………何故?」


シンプルイズベスト。そんな質問。


「実は私進藤様のこれから始まる決闘に興味がありまして。やはりここは運も味方につけて欲しいと思い投げてもらいたいな、と。」


「運を味方に………って何処に刺さったら運がいいんですか?」


「もちろん進藤様か百舌鳥様のどちらかに。ポイントをゲット出来ればさっきの質問の挽回も出来ますし!」


「え、1位の組が何でも願いが叶う権利を得るんですよね?」


「ですね。」


「オレ別にいらないんですけ……ど……」

「ソラミミカナイマドコカデイラナイッテキコエタキコエタキコエタキコエタ」


壊れたロボのようあえて進藤の方を向かずに1人話す百舌鳥先輩。


「ウソダヨネウソダヨネウソダヨネウソダヨネウソダヨネウソダヨネウソダヨネ」


「はい!やります!絶対外しません!」


半ば強制で進藤はダーツを持つ。


「ダーツとか………初めてなんだけど……」


「外れた場合、マイナスポイントになりますので気をつけてください。」


グッと肩を掴み小さな声で


「分かるよね?やること?」


と囁く百舌鳥先輩。

半ば殺し屋?ギャングのようで………

あ~あ~ガクガク震えてるし進藤。


「ルーレットを回す方は………あ、香織様と晃太、よろしくお願いいたします。」


「こちらこそ!」


「テンション高っ」


「ルーレット回すの夢みたいなとこあるじゃん?」


「安い夢だな………」


「クビを決める時も回すし」


「ゴチそうさまね。」


「パジェロパジェロパジェロパジェロもルーレットだし」


「もうパジェロ自体はないがな?」


「ともかく回したいの!よし。回そ。準備いい?進藤?」


「こ、心が整わな………」


「いくよ!せーの!」


進藤ガン無視で回し回り始めたルーレット。


「え、え?」


困惑する進藤だが投げないと罰ポイントがつく。だが………皆が全員自分の名前を叫ぶカオスの中………投げるに投げられず………でも投げないと……頭が混乱しながら………


「ええい!どうにでもなれ!」


半ば無理矢理投げたそのダーツの行方は……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る