第353話 皮肉すらも取り込む愛の形

「あ~黒井さんと忍さんのディベートが長引きそうなので次いきますか!忍さんも軽くさっきので自分から秘密暴露してたし次はどなたが………あ、じゃあ雫。」


「は~い!雫で~す!じゃんじゃん!お願いするよ!」


「ではではスタート!ってありゃ早いね。じゃあ、晃太くん。」


「うん?晃太くん?」


「お前はもうオレに好意無いんだろ?ならしっかり精算しとかないと。」


「せ、精算?な、何のこと?」


「とりあえず言うから。黙ってろ。」


「ちょ…………」


「まずコイツはラブレター渡してきた時に裏面にライムのアドレス書いてた。計算高い。そしてオレを上手いこと誘導してコンビニに誘ったコイツは、持ってきた鞄を指差してこう言った。ここで叫ぶか鞄に詰めて家に連れていくか2択選びなさいと。」


「晃太くん………やめよ?」


「精算、だよな?」


「あ、あ、う、うん…………」


精算。いい言葉だ。


「そして脅してオレの家にオレの部屋に入った雫は何故か姉と競うようにお、ゴホン!胸を吸わせようとしてきた。それに恐怖を感じたオレが逃げた、逃げたがオレの部屋に残されたスマホのメッセージから集まる病院を探しだしそこにやってきた。いわゆるキケン人物だ。」


「晃太くん…………仮にも彼女の前でそれは酷くない?」


「じゃあ乃蒼に隠すのが一番いいのか?」


「それも………違うけど………」


「じゃあしっかり知ってもらえよ。」


「だからってブーストかけすぎ………」


「ブーストかけすぎな行動してんのはお前、だったよな?な?雫?」


「……………う、返す言葉が………」


「乃蒼はどう思った?今の聞いて。」


「ぷんぷん…………」


「怒り?か」


「そうだけど…………まぁ…………別に…いいやって…………過去の人にも…………そうしてきたんだろうなー………って………」


「懐が広いことで。」


「でも………」


「でも。」

「でも?」


「私にも………それしてほしい………」


「え?」


「私にもそれ以上のこと…………してほしい………もっと過激で………もっと大胆な………こと…………そしたら……許す……」


「分かった!もっとヤバいことする!もっとヤバいヤバいヤバいことしてみせる!」


「晃太……………」


「あ?」


「ないす…………」


「は?」


「ないす…………あしすと…………」


「別にお前らの営みのためにやってないけど!」


何か全てさらけ出して楽になりたかったのに逆に魚の骨が喉に刺さったみたいな、そんな感じなんだけど?


「これで………夜………楽しめる……ハッピー………」


何を言えば皮肉になるか分からないが出てきた言葉は…………


「あっそ!」


だった。

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