第349話 過去は過去。現在は現在。生きてりゃ傷も泥もつく。それが人生。
「はい!心音でした!はい。じゃあ次の方………」
「黒井!黒井!お前が出ろ!」
「え~、司会者~、しかも黒井って、お前って………」
「あ~、司会は他の人がしてくれる!」
「はい!香織やりまーす!」
「ほら!で、和虎………ほら真ん中に立ちなさいよ!私が恥かいた分アンタにも恥かいてもらうから!」
「オレはつまんないよ?」
「何言ってるん!私に恥かかせといて!」
「………………嫌いにならん?」
「え?」
「ではでは。黒井さんについてスタートです!」
「黒井…………大丈夫なの?言っても。」
アリス先輩が心配そうに見つめる。
「あ~、はい。そうですね。嫌われたら嫌われたですね。」
にへらと笑う黒井にはその表情とは裏腹に覚悟が見えた。
「じゃあ………言うよ。」
「はい。お願いいたします。」
「あ、ではアリス!アリスからどうぞ!」
「黒井は…………黒井は………」
「アリス様。大丈夫です。全部出してください。」
覚悟を決めたアリス先輩は口を開いた。
「黒井は元々いじめられてて、それを表に出せずにずっと耳に穴が開く限りピアスを自分で開けてたんだよ。である時ピアスも開けられなくなった時次にタトゥーを入れだしたんだよ。で、そのタトゥーを見て自分に少しの自信が出来た黒井はいじめをやめてくれるように言ったの。でも、結果はダメでまたボコボコにされると思ったその時黒井は気づいたの。そうか、オレもヤればいいのか、とそこから親からいじめてたヤツからありとあらゆる人に仕返しをしていって………中学を退学した。その後は職を転々としていたんだけど………ある時黒井は考えたの。30で死のう、とそのためにヤりたいことを考えて自らに投資したり女の人を抱きまくったり色々してきた。そんな生活が数年続きある時私と出会ってボディーガードとして働きはじめて今の黒井がいる………簡単に言えばそんな感じ………」
「アリス様。ありがとうございました。お口を汚すような言葉ばかりで申し訳ないです。そうです。オレはつまんない人間とかじゃないんです。オレはクソな人間なんですよ。学もないしあるのは力だけのただのバカ。それがオレ。そんなオレを好きになってくれるのは嬉しいけどこんな欠如したヤツ好きになっても意味なんか」
「私のレーザーがバグってるっていいたいの?」
「え?」
「わ、私はアンタが好きだから付き合ってやろうとしてるだけ、前も言ったけど過去が何?私だってさっき恥かいたし。だから全てが綺麗な人間なんていないし。別に私はアンタがそんなんだからって気を落とすつもりは………」
心音が言葉を言いきる前に黒井がその言葉を遮った。しかも唇と唇で。しかもべっとりと舌を入れて………
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